京都市東山区の東福寺と言えば、京都でも有数の紅葉の名所として多くの観光客が訪れるところです。
今回は、青もみじとモダンな枯山水「本坊庭園」を楽しむために行ってきました。
他のエリアに比べて、人影も少なく、通天橋からの紅葉も庭園もじっくりとゆっくり眺められてよかったです。
初夏の日差しや風が気持ちよくて、新緑の時期もまたいいなぁって。ゴールデンウィークから夏までの間に京都に行くならおすすめです。
この記事でお伝えしたいこと
東福寺駅から徒歩で 北大門⇒臥雲橋へ
JR東福寺駅を出てすぐの道を右方向に行きます。
高架下をくぐり、歩いて2分くらいで「東山警察署 東福寺交番」があり、壁にはご丁寧に「←東福寺」という矢印が。わかりやすい♪
ここを左折すると、東福寺の北大門が見えます。京都府指定の文化財で、桃山時代に建てられたそう。なかなか立派な造りの門です。
これをくぐってさらにさらに、テクテクと歩き続けます。両側に白い壁の塀が続きます。新緑がとてもきれいです。
ホントにこの道で合ってるのかなあ?と若干不安に思い始めたころ、木でできた橋が見えてきます。
これが、東福寺三大橋の一つの「臥雲橋」です。
東福寺の中には渓谷があり、川が流れているのですが、ここに3つの木造の橋が架けられています。その中の一番下流にかけられているのが、臥雲橋。
とても歴史の深い橋で、京都府指定 重要文化財になっているそうです。
普通の公道から歩いて入って行ける場所でもあるから、自転車でも通行が出来るよう。
ただし、注意書きで「大変危険なので、降りて渡る」と書いてありました。
東福寺の青もみじ 臥雲橋からの眺め
臥雲橋に着くと目に飛び込んでくるのが一面の緑。すごい。
その向こう側も、橋が見えています。その間を流れる川の音も聞こえます。
秋の紅葉の名所すなわち、青もみじの名所、でもあるんですね。この季節の方が人も少なくて、落ち着いて見られる良さがあるような気がします。
ちなみに、2015年の「そうだ京都行こう」の初夏バージョンのCMでも登場していました。
その時ポスターの場面は、この臥雲橋から通天橋方面を見た景色じゃないかな?
自転車を引いて歩く女性が、青もみじの景色を眺めている姿でした。
臥雲橋で青もみじを眺めて楽しんだ後、1分ほど道に沿って歩くと「日下門」に到着。
この先に東福寺の本堂が見えてきます。東福寺駅から、徒歩で10分くらい。
坂道もあまりきつくなく、途中の臥雲橋で日陰で一休みしつつ、もみじ鑑賞もできるので、遠いという感じはないです。
国宝の山門を見学~本堂にお参り~蒼龍図も鑑賞
日下門を通って右の方に行くと大きな門が見えます。これは、国宝指定されている「三門」です。
普通は山門と書き、寺域が始まる境目に置く門のことを指すのですが、東福寺では「三門」と呼ばれてるんですね。
なぜかなと思って説明を読んでみると「三解脱門(涅槃に達するためにくぐらなければならない門のこと。)」の略で、三門。
涅槃というのは、「一切の煩悩から解脱した、不生不滅の高い境地(wikipedia)」のことなんだそうです。
ドーンとした強さを感じる立派な門で、圧倒されます。実はこの2階の中央部分には、「宝冠釈迦如来像」他の仏像が安置されているのですが、普段は閉じられていて見れません。
三門の前に本堂があります。ここで、御賽銭を入れてお参り。
本堂の天井には、蒼龍図が描かれています。この本堂で3月14日~16日に春の涅槃会が行われます。
いつもは非公開の大涅槃図を御開帳するのだそう。京都三大涅槃図の1つで、猫のいる涅槃図として有名なもの。
このときに国宝三門と龍吟庵も一般公開されるので是非、もう一度足を運びたいです。
通天橋からの青もみじを見る
さて。本堂へのお参りを済ませた後、いよいよ通天橋へ行ってみます。ここは、拝観料を払って鑑賞となります。
入ってすぐにもみじがたくさん植えられた庭園があり、地面の緑色の苔も緑色に光って見えて、風情があります。
通天橋は木造で、丸くてつるつるとした柱がたくさんあり、その間からこぼれるような緑が本当に美しい。
歩くと、コツコツと靴の音がして、葉がこすれあうさやさやという音と、水の音、時折聞こえる鶯の鳴き声。
なんとも素敵な時間です。
通天橋の中央から、臥雲橋の方向を見てみると、青もみじの海の向こうに小さく木造の橋が見えるという。
一面の青いもみじがすばらしすぎです。
これが、すべて紅葉したら…この渓谷が一面真っ赤に染まるということですよね。はぁ…。想像して思わずため息。
通天橋を渡り終え、斜めに上がって行ける屋根付きの緩やかな階段があります。
こちらへ行くと「開山堂」と「普門院」があり、石の庭がありました。石の模様は、市松模様になっています。普門院前の階段に座ってしばし鑑賞。
静かな時間が流れます。外国の観光客の方は欧米の方が少しいらしたくらい。
嵐山とか清水寺は、この日も人がたくさんいて結構混雑してましたが、東福寺付近は人が少なくて、とても落ち着いて観回れました。東福寺は、外国ではあまりメジャーじゃないのでしょうか?
方丈拝観と国指定名勝 東福寺方丈庭園
通天橋のまわりのもみじ園や川のあたりを散策したあとは、方丈と東福寺本坊庭園を拝観しました。ここも拝観料が必要なエリア。
東福寺の御朱印は、この方丈の拝観受付でお願いできます。拝観料を納めるときに、頼んでおけば、庭園を鑑賞し終わったら受け取れます。
東福寺の方丈庭園は、「八相の庭」と呼ばれていて、方丈の建物の東西南北すべてに庭が配されています。
作庭家重森美鈴さんによって昭和14年に完成していたもの。禅宗の伝統に、現代風のデザインが組み込まれているのが特徴だとか。
入ってすぐ右手に見える東庭は、北斗七星をもして配置された石柱がありました。(写真撮り忘れ…orz)。
禅宗の石の庭に、星を取りいれたのはとても珍しいんだそうです。
岩は仙人が住む岩を、白い石に付けられた模様は水の流れを表しているのだそう。奥の方には五山を模した築山があります。
こちらは、サツキを市松模様に刈り込んでいるのが面白いなと。目をあげると向こう側には、渓谷の青もみじが広がっています。
京都でいろんなところで、お寺の庭を見たのですが、市松模様って他に見たことないですね。確かに。
東福寺の御朱印はこちら
秋のもみじ鑑賞の時期は、秋限定の御朱印があり、御朱印のはんこにもみじの絵柄が追加されるんだそうです。ただ、時期的に多くの人が訪れるためか、書置きの販売。
手書きもしくはスタンプの御朱印をいただくかたちになるのだとか。御朱印料は500円でした。
今回は、直接墨で書いていただけたので、私はこの方がいいなあ~なんて思いました。
東福寺へのアクセス 拝観時間の情報
東福寺は「東福寺駅」があるので、比較的アクセスがしやすいお寺だと思いました。駅からは、まあまあ歩くのですが、景色を眺めながら歩いていると意外に大変じゃないです。
〇京都駅から電車でアクセス
JR京都駅から奈良線で「東福寺駅」。
〇京都駅からバスでアクセス
京都市営 バス202,207,208系統(D2乗り場)「東福寺」下車 徒歩12分
〇嵐山方面から電車でアクセス
JR嵯峨野線「嵯峨嵐山」駅⇒京都駅⇒JR奈良線「東福寺駅」
〇拝観時間
季節によってちょっとずつ変わるので注意。
4月~10月末まで 拝観時間 9:00~16:00
11月~12月初旬まで 拝観時間 8:30~16:00
12月初旬~3月末 拝観時間 9:00~15:30
秋の紅葉のシーズンは、始まりが30分早まる、冬の寒い時期は終了が30分早まる、ということですね。
〇拝観料
三門、本堂を外側から見るだけならば、無料でした。また、臥雲橋も無料で渡れます。
拝観料が必要なのは、通天橋から開山堂、国指定名勝 東福寺本坊庭園の2ヶ所。いずれも大人400円、小中学生 300円です。
特別拝観があるときは別途、料金が設定されます。
最後に:東福寺駅付近で遅いランチ
この日は、4月の終わりで気温が22度まで上昇。雲もほとんどない良い青空でした。
最初は、スプリングコートを羽織っていたのですが、歩いていたら暑くてたまらなくなり、脱いで手に持って歩きましたよ。
日差しはすっかり初夏。これからは帽子か日傘を持ち、水分補給ができるようペットボトルか水筒を持って行くのがおすすめです。
日焼け止めもお忘れなく。
あちこち歩いていて気付けば午後2時を過ぎていました。しまったお昼食べ忘れたw
東福寺駅周辺で何かないかなと歩いていたら、「通天もみじうどん」という文字が。丹波屋さんというお店に入ってみました。
カウンターと、椅子、座敷の席がある、小さ目の店内。とても感じが良くて明るいお母さんたちがきりもりしているようでした。
東福寺にちなんだおうどん、なのだそうで。
生湯葉、もみじ麩、あわ麩、が入っていて、おいしかったです。