嵐山にある天龍寺の塔頭寺院、宝厳院(ほうごんいん)は秋の紅葉の美しさで有名です。
赤く染まった紅葉の風景も素敵ですが、初夏から夏にかけては青もみじが見逃せません。
春の特別拝観で、初夏の青もみじを愛でに行ってきました。
この記事でお伝えしたいこと
宝厳院の拝観受付は美しい山門
嵐電の嵐山駅から歩くこと5分。
宝厳院の入り口が見えてきました。
この山門が拝観の受付になっています。
茅葺(?)のほのぼのとしたたたずまいです。
嵐山駅前は、平日と言えども観光客がたくさんいてにぎやかですが、
宝厳院まで歩いてくると、とても静か。
秋の紅葉シーズンはもっと観光客が訪れるのですが、
初夏は落ち着いていて、じっくり庭園を見られるのが良いですね。
受付で、獅子吼の庭と、本堂の拝観料を納めます。
両方合わせると1000円。
本堂に行ってから、入り口で払っても良いそうです。
獅子吼の庭を散策
山門をくぐると、美しい新緑が目に飛び込んできます。
獅子吼の庭、と呼ばれる借景回遊式庭園の始まりです。
獅子吼というのは、仏様が説法することを指すそうです。
この庭園を歩きながら、自然の音に耳を傾けることが、
仏様の言葉と同じということかな?
苦海(この世は苦しみがたくさんあることを海に例えた言葉)を渡って、
お釈迦様に説法を聞きに行く、獣たちを表現した岩が配置されています。
苦海は、黒い丸い石で表現しているのだそう。
それにしても、なんと見事なもみじでしょう…。
これが秋になったら真っ赤に染まるんですよね。
小道を歩いて行くと、豊丸垣が見えます。
竹をさかさまにして作った垣で、
この形は宝厳院のオリジナルなんだとか。
獅子吼の庭には、小川が流れていて、
時折、コーン、コーン、という、ししおどしの音が響きます。
風にそよぐ葉の音や、鳥のさえずりが聞こえて
なんとも癒されるお庭です。
さらさらさらと流れる水の音も聞こえて、
静けさを、より深く感じました。
こちら、獅子岩。
横から見ると獅子の横顔に見えますよね。
この庭園が、江戸時代(寛政11年)の『都林泉名勝図鑑』に
載っているんだそうです。
なんというか。。歴史を感じますね。
(寛政と聞いて、「寛政の改革、松平定信」と浮かんできてしまいました。
次女の歴史の勉強にお付き合いしすぎw)
本堂の襖絵は田村能里子さん画
庭園の途中に本堂がありました。
今ある本堂は、平成20年に完成したもの。
宝厳院の歴史は古く、寛正2年、室町時代にさかのぼり、
元々は大きな寺院だったのですが、あの応仁の乱で焼けてしまったと。
今の場所には、さまざまな変遷を経て再興されたんだそうです。
本尊の十一面観世音菩薩、脇仏の三十三体観音、地蔵菩薩が祀られていました。
地蔵菩薩は、足利尊氏が祀ったものとされているんだとか。
金色に輝く、優しい雰囲気の御本尊でした。
座って手を合わせて、心を落ち着けます。
襖絵は、田村能里子画伯の「風河燦々 三三自在」と名付けられた絵で、
今まで見てきた寺院の襖絵と比べて一風変わった存在感でした。
鮮やかな朱色で、山河を表現していて
入り口から朝日が昇り、真ん中の部屋では昼間の光り輝く風景、
奥の間は、群青色の空が美しい夜、というふうに私は解釈しました^^;
描かれた人々は穏やかだったり少し悩ましげだったり、と表情豊かでした。
宝厳院オリジナル御朱印帳と御朱印
宝厳院の御朱印は、入り口の山門のところにある売店で頂けます。
御朱印帳を持っている場合は、書置きのものを300円で購入する形。
今回は、御朱印帳を新たにしたかったので、
宝厳院のオリジナル御朱印帳を求めました。
1ページ目にすでに御朱印が書かれていて、日付だけその場で入れてくれました。
「念彼観音力」と書かれています。
ねんぴかんのんりき、と読みます。
”苦難に出会った時、観音様の力を念じれば、
その苦しみから観音様が解放してくださる”という意味を持つ言葉なのだそうです。
山門の外はもみじのトンネル
山門の外にはもみじが両側に植えられたトンネルがあります。
ここは、拝観料を納めることなく通れる小道です。
この日はまだ5月だというのに33度にまで気温が上がった真夏日。
もみじのトンネルも、獅子吼の庭も、緑が広がっているおかげで日差しを遮ってくれて、
体感温度が2、3度下がったように感じました。
初夏の宝厳院は、とにかくとにかく、
新緑の緑が目に美しい場所だなあと。
秋には、紅葉を楽しみに、ぜひ行きたいです。
宝厳院 2018年春の特別拝観情報とアクセス
2017年3月17日(土)〜6月30日(土)
午前9時~午後5時
嵐山借景 回遊式山水庭園 獅子吼(ししく)の庭(500円)
本堂襖絵「風河燦燦三三自在」(500円)
お茶席もあります。
宝厳院は天龍寺の塔頭寺院で、嵐電嵐山駅から歩いて5分くらいの場所にあります。
嵐山駅を出たら、左折して渡月橋方面に向かって歩きます。
すぐに交番があるので、そこの細い路地を入ります。
和雑貨のらんざん和み屋さんの角を右折、
すぐ1つ目の角を左折して道なりに。
湯豆腐嵯峨野を左に見ながら歩き、
突き当りのところにある細い通路を渡ります。
左折して数メートル歩くと、宝厳院の拝観受付です。