日本三大祭の一つ、京都の祇園祭。
京都の夏を彩る大きな行事で、千年の歴史を誇り、ユネスコの無形文化遺産にも指定されているお祭りです。
祇園祭ならではの、さまざまな祭事が7月の1か月を掛けて行われます。
動く美術館と言われる山鉾は、その美しさに思わずため息が出てしまうほど。
ここでは、2018年の祇園祭の日程と有料観覧席の申し込み情報をまとめます。
祇園祭とは?歴史について
祇園祭は日本三大祭りの一つで、八坂神社のお祭りです。
始まりは平安時代。疫病が流行ったり、富士山が噴火したりと、
悪い出来事が重なっていました。
これは、先の権力闘争で亡くなった人たちの怨霊と考えられ、
その魂を鎮めるために行われた祭事が祇園祭の元になっています。
今は八坂神社のお祭りですが、
祇園祭の発祥は869年神泉苑で行われた御霊会(ごりょうえ)です。
疫病退散のために66本の鉾を建て、
神輿を送ったのが始まりと言われています。
室町時代、応仁の乱により33年の間、祇園祭は中断していますが、
街の人々の力により復活して今に至ります。
祇園祭は1か月にわたり、さまざまな祭事が行われます。
2014年からは後祭も復活し、より盛大に行われるようになりました。
見どころは何と言っても、京の市内を回る山鉾巡業です。
豪華絢爛の山や鉾が目の前を通りすぎ、その迫力と美しさに感動しますよ。
祇園祭2018の日程と主な祭事まとめ
祇園祭は7月1日から7月31日の1カ月間にわたって行われます。
祭りは、前祭(さきまつり)、後祭(あとまつり)に分かれていて、
それぞれに置いて山鉾巡行が行われます。
〇吉符(きっぷ)入り 7月1日~18日。
祇園祭の幕開け、神事始めの日です。
各町で祭りの打ち合わせを行ったり
お祓いをしたりします。
〇くじ取式 7月2日
山鉾巡業の順番を決めるくじ引きです。
長刀鉾(なぎなたほこ)は、くじ取らずで、いつも先頭を行きます。
〇前祭 鉾建て 7月10日~11日
道の上で鉾を組み立てます。
この写真は長刀鉾の鉾建ての様子。
鉾建て専門の大工方によって、
「縄がらみ」という手法で組み立てられます。
釘を一本も使わない伝統の手法なんです。
見ている前で手際よく鉾が組立られるさまは面白いです。
最後に大綱を引いて、鉾が建つと思わず拍手をしたくなります。
〇前祭り山鉾曳初 7月12日~13日
完成した鉾に、本番の時の正装をした囃し方や音頭取りが乗り、
試し曳きをする日です。
このときならば、女性でも子どもでも鉾を曳けるんですよ。
鉾につながった綱を曳くと、1年間厄除けになると言われています。
お菓子が配られたり、鉾に乗れる搭乗券が配られることもあります。
〇前祭山鉾搭乗 7月13日~16日
この期間中なら、一般の人でも山鉾に乗れます。
拝観券を買うと乗れるところ、
お菓子や粽を買うと乗れるところ、など、さまざま。
長刀鉾、函谷鉾、鶏鉾、菊水鉾、月鉾、
放下鉾、船鉾、岩戸山、に登場が可能。
外からでは見れない、内部の豪華な装飾や絵画、彫刻を
間近で見られるチャンスです。
最大でビルの2階ほどの高さになる鉾からの眺めは最高^^
(長刀鉾、放下鉾は女人禁制なので、女性は乗れません。)
〇前祭(さきまつり)宵山 7月14日~7月16日
山建てが終わった、その夕刻から、
提灯に明かりが灯ります。
この、山鉾巡行の前の3日間のことを宵山、と呼びます。
前祭宵山では、15日(日)と16日(月)の午後6時から歩行者天国になり、
多くの夜店が出て、楽しいお祭り気分を味わえます。
〇前祭山鉾巡行 7月17日
前祭の山鉾が京都の街を行きます。
都大路を祇園囃子を奏でつつ、大きな山鉾がゆっくりと進みます。
まっすぐにしかすすめない山鉾を、
青竹を敷き詰めてまわす「辻回し」は圧巻!
四条烏丸、四条河原町、河原町御池、四条新町をぐるりと巡行します。
〇神幸祭 7月17日
3基の神輿と1基の子供神輿が四条御旅所までを巡行します。
山鉾巡業は、優雅で豪華でゆったりした雰囲気ですが、
神幸祭は、パワフルで勇壮!
ホイット!ホイット!という独特の掛け声とともに、
神輿を差し上げ、差回し、熱気がすごいです。
祇園石段下で3基が一斉に神輿を差し上げる姿は
圧巻!の一言。
神輿の出発は18時です。
〇後祭 山建て 7月11日~14日
後祭の山鉾が建てられます。
ここでは、北観音山、大船鉾、南観音山などです。
〇後祭山鉾搭乗 7月13日~16日
後祭に登場する山鉾に、一般の人も乗れます。
北観音山、大船鉾、南観音山です。
特に、幕末の焼失から150年ぶりに復刻した、
大船鉾はぜひ乗ってみましょう。
北観音山は女人禁制なので、
乗ることができません。ご注意を。
〇後祭(あとまつり)宵山 7月21日~7月23日
後祭の山鉾巡行の前の3日間、後祭の宵山が行われます。
こちらは、歩行者天国や夜店はありませんが、
しっとりした京都ならではのお祭りの雰囲気を楽しむのにぴったりです。
〇後祭山鉾巡行 7月24日
後祭の山鉾10基が京都の街を行きます。
橋弁慶山を先頭に、次が北観音山という順で、最後に大船鉾です。
前祭に比べて数は少ないのですが、豪華な山が続きます。
特に長い間休み山となっていた大船鉾は必見です。
〇花笠巡行 7月24日
美しい花が飾られた傘鉾が、都大路を彩る花笠巡行。
花笠をかぶりあでやかな衣装に身を包んだ女性による神饌行列や、
八坂神社で行われる鷺舞など、山鉾巡行とはまた違った魅力があります。
〇還幸祭 7月17日
四条御旅所に渡御していた神輿が、八坂神社へ戻る神事。
3基の神輿がお互いに負けじと、高々と差し上げ、
豪快に差回します。
前祭・後祭山鉾巡行の見どころとおすすめスポット
前祭、後祭の山鉾巡行は、祇園祭の見逃せない行事の一つ。
前祭では、長刀鉾を先頭に23基の山鉾がゆっくりと進みます。
後祭では10基で、前祭とは反対向きに進みます。
後祭の山鉾巡行のときには花笠巡行もあるため、
山鉾と花笠の両方を一度に楽しめるスポットも。
山鉾巡行の簡単なマップを作りました。参考にどうぞ!
前祭山鉾巡行 7月17日(火)
前祭の山鉾巡行は朝9時にスタートし、まずは四条通を通過します。
9:40頃、先頭の長刀鉾が四条河原町に到達。
ここで辻回しが行われます。
人出は一番多いところですがぜひとも見たいスポット!
回っているときはお囃子はスピードアップ、
回りきったら、スローダウン、という風に耳でも楽しめます。
10:35頃、御池通の角にて辻回しが行われます。
ここには、毎年有料の観覧席が設けられます。
11:25頃、最後の辻回しが行われます。
新町通は細い路地の為、屋根方が上手に鉾を通します。
かなり間近で山鉾が通るので大迫力です。
おすすめスポットは、昔ながらの山鉾巡行が垣間見える、
新町通りの辻回しです。
全部見ると1時間半~2時間くらいかかります。
後祭山鉾巡行 7月24日(火)
後祭の山鉾巡行は、前祭とは反対周りになります。
スタートは9:30、烏丸通から。
10:05頃、1つ目の辻回しです。
ここを曲がると、花笠巡行と同時に進む姿が見られます。
後祭のおすすめスポットは、両方を見られる通り沿いのエリア。
これは祇園祭が始まって以来、初めてのことなのです。
10:40頃、四条河原町の辻回し。
花笠鉾は、左に曲がり八坂神社へ戻ってゴール。
山鉾は右へ曲がって、四条通を進みます。
先頭がゴール地点に達するのは10:20頃です。
全てが通過するまで1時間くらいが目安です。
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山鉾巡行は、多くの人が訪れる、祇園祭の最大のイベントです。
その為、穴場的に空いているスポットというのは、ない…。というのが正直なところ。
特に河原町駅前の辻回しのエリアは大混雑です。
混んでいるという前提で、早めに行って座って待つ、という対策しかないでしょう。
夏の京都はとにかく暑いので、熱中症にならないよう、
暑さ対策は万全に。
日よけの帽子(日傘はNG)
水分補給用のペットボトルor水筒
塩あめ、は必需品です。
場所取りをするならば、小さ目の折りたたみ椅子、
レジャーシートも持って行きます。
祇園祭有料観覧席の申し込み情報
祇園祭では、7月17日(火)の山鉾巡業を良い席で落ち着いて見られる有料観覧席が販売されています。
2018年は6月6日9時30分から販売が始まります。
例年、瞬速で販売終了になってしまうので、有料観覧席で見たい!という場合は、即申し込みをしましょう。
京都市観光協会の公式ページから申し込めます。
⇒祇園祭 有料観覧席のご案内
祇園祭の最寄駅とアクセスの方法
祇園祭は、八坂神社のお祭りです。
毎年30万人もの人が、観光に訪れます。
アクセスは、市営バス206系統で「祇園」下車すぐ。
この方法が一番近くまで行きますが、
交通規制や渋滞によって思いがけず時間を取られることもあります。
その為、祇園祭を見に行くならば電車を利用するのがおすすめです。
最寄駅は、京阪の「祇園四条駅」 八坂神社までは徒歩8分ほどです。
京都駅からの電車でのアクセスは、
JR京都駅10番ホーム 奈良線で「東福寺」駅
⇒京阪「東福寺」駅へ乗り換え⇒「祇園四条駅」となります。
最後に
1カ月にわたって行われる祇園祭について、順を追ってざっくりとまとめました。
観光に訪れるならば、山鉾巡業はぜひ見たいですね。
前祭、後祭それぞれ、登場する山鉾が異なることもあり、
どちらに行けばよいのか、迷ってしまいますね。
ざっくり言うと、前祭の方はにぎやかで夜店なども多いですが混雑度が高いです。
後祭は前祭りに比べると、少し落ち着いて見られるのが良いところです。
復刻なった大船鉾を見るなら後祭という選択もあります。