夏休みもそろそろ終わりに近づいてきています。
中学生の娘も宿題が佳境です。
さっさと終わらせておけば楽なのに、と親は思うのですけど、なかなかねぇ^^;
毎年いちばん頭を悩ませるのが読書感想文なのです。
次女は本を読むのは大好きで、毎日必ず読んではいるんですよ。
だけど、いざ、感想文にまとめろと言われると、かなり骨が折れるらしく。
そこで、読書感想文をどうやって書けばいいのか?
本の選び方から、実際に書くまでの家庭と葛藤(?)について、まとめておこうと思います。
この記事でお伝えしたいこと
読書感想文の課題図書から本を選んでみるも…。
夏休みが始まるころになると夏の読書感想文の課題図書というのが本屋店頭に並びます。
課題図書を読んで書くのが一番手っ取り早いのかもしれません。
本を選ぶという、最初の段階をすでにしてもらっているようなものですし。
内容もちゃんとしたものなのだろう、とも思えます。
今までも買ってきたのですけど、いくつか設定されている本を見ても、娘的になにも魅力に感じない年もあるんですよね。
興味がわかない本の感想文を書くほどの苦痛は無いですよ。
読み終えても、「ん?よくわからない。」何度読んでも、「で、結局、何を言いたかったやら」と悩む。
ますます筆が進みません。
今年の本選びがまさにそうでした。
我が家が課題図書から本を選ぶときは、
まず本の表紙を見て「面白そう」と思えるものを手に取ること。
何行かを読んでみて先行きが楽しめそうと感じたものを選ぶこと。
この2点がおおざっぱな基準です。
中学校の部の2018年の課題図書は、
「一〇五度 [ 佐藤 まどか ] (あすなろ書房)」
「太陽と月の大地 (世界傑作童話シリーズ) [ コンチャ・ロペス=ナルバエス ] (福音館書店)」
「千年の田んぼ [ 石井里律子 ]:国境の島に、古代の謎を追いかけて (旬報社)」の3冊。
2017年は
「円周率の謎を追う : 江戸の天才数学者・関孝和の挑戦」
「ホイッパーウィル川の伝説」
「月はぼくらの宇宙港」の3冊でした。
昨年、中学3年のときに次女が選んだのは「ホイッパーウィル川の伝説」。
本の表紙は深いグリーン。狐と少女が向かい合っている絵。
伝説、という言葉。
もともとファンタジーが好き、動物が好き、という次女。
この本がいちばんいいな、と感じたようでした。
それなのに、読み終えたときの感想が
「面白かったけれどなんか後味が悪いんだよね…。狐も死んじゃうし。悲しいけど心温まるって書いてあったけど、悲しいばっかりで共感できるところがなくってこまった。」
なのです。
もっとしっかりと読み込めば、違った感想が出てくると思うけれど、二度読みたくないと。
本の作者さんには申し訳ないのですが、正直言って書きにくいことこの上ない、むしろ、感想を書きたくないというタイプの本だったようで。
それでもひねり出しつつ、原稿用紙4枚半埋められるとは思えず、この本で書くのは断念しました。
本選びはつくづく大事です。
読んだという経験は積めましたが、宿題をクリアするという目的には達しませんでした…。
余談ですが、課題図書を買う時に毎年思うのが、「課題図書に設定されると、この本の売れ行きすごいだろうなぁ」ということ(^^;)
それまで、誰も知らなかった本でも、選ばれたことで認知度がアップし、飛躍的に売れるはずですよね。
読書感想文は本選びが超絶重要
読書感想文の肝は「本選び」にあると思います。
興味を持って読めるかどうか、何回でも読めるかどうかというのって案外重要なのです。
一回読んで、はい、感想書けと言われても、なかなかうまくいかないですよね。
読み込んで行くからこそ見えるものもあるのですから。
今回は課題図書が次女には合わなかったので、童話館から届いた本や図書館にある本から選ぼう!と急きょ方針変更です。
- 好きなジャンルであること
- 好きな作家であること
- 読み終えるまで、読書を止められない!と感じた本であること
- 一度読んで、もう一回読みたいと思える本であること
- テーマの根底に流れるものが、中学生らしいもの
次女はとにかく、ファンタジー好きなので、最近読んだことのある本の中でも好きな本をピックアップして並べてみました。
本の表紙を眺めに眺めて、思わず手に取ってしまった本。
そして、止めるのも聞かずにそのまま読みふけって一気読みしてしまった本。
これを読書感想文の本に選んだんです。
同じくファンタジーなのですが、近未来もの。
思えば、この本を読んだ後に面白いからママも読んで!と何回も勧めてきた本でした。
家族や人生についていろいろ考えたとも言ってました。
私自身も読んだことがあるのですが、確かに、寝る間も惜しんで読めた面白い本だったんです。
本人はもう何回も読んでるから頭に入ってるし、これについて言葉で語らせると出るわ出るわの感想の嵐。
「待て待て、しゃべってないでそれメモしなはれ」と、ストップをかけ、そのまま読書感想メモを埋めはじめました。
こうなると早いです。
つまり、読書感想文の本選びのもっとも重要なことは、
「子供がいかに興味を持つか。面白いと思って読みふけることができるか」なんですね。
それと出会うのが、難しいんですけど…。
日ごろから本を読んでいれば案外すんなりと見つかるかもしれません。
普段読まないタイプの子の場合はどうすればいいか…。
お母さんも一緒になって探して、図書館からどっさり借りてきてお互いにいろいろ読んでみて、子供が一番楽しそうに読んだもの、というのをチョイスするのが良いのでは?と思いました。
書くときの必需品!読書感想文 作成シート
読む本も決まって、読み終わったら、いきなり原稿用紙に向かってもなかなか書けません。
ここで、役に立つのが読書感想文の作成シートです。
ベネッセサイトでの親野智可等先生の「魔法のフォーマット」とか、ネットを検索するといろいろ出てきます。
既にフォーマット化されているから、項目の質問に答えて、埋めておけば、原稿用紙に向かった時にすんなりと書けるというわけ。
我が家が使ったのはこちら。
読書感想文 作成シート|楽しもう Office
質問に対して埋めて、そのあとどんな構成で書けばいいかが図になっていてわかりやすいのです。
色合いもパステルカラーで、かわいいし(あんまり関係ないけど)。
書く内容は、すべて箇条書きで。
例えば、Q1の「その本を選んだのはどうして?」という問いに対しては、
・家に届いたから。
・表紙がきれいだったから
・タイトルを見て、どういう意味だろうと思った
こんなふうに、思ったことをポンポン書きます。
Q3の「一番印象に残ってる場面は?」Q4の「どうしてそう感じた?」。
ここは、読書感想文の前半を占める重要部分なので、出来るだけたくさんの情報を箇条書きしました。
場面の文章を書き出して、それに対してどう感じたか?
数字で番号を振って書いておいたら後でまとめやすいです。
最も大事なのは、Q5の「本を読んで大切にしたいと思ったことや気持ちは?」
Q6の「これから変えたいと思うことは?」
この2つの質問に書きこんだことは読書感想文の肝、読んだ本人のオリジナルの本当の感想部分なのです。
ここはとにかく、思ったことを何でもいいからどんどん書きます。
Q5は、
・一人一人の感情を大切に
・抑制されることのない世界で生まれてよかった
・達成感を得られない世界はいやだ
などなどいろいろと。
Q6は、
・自分で選んだ道を行きたい
・転んでもいいから
などなど。
もっとたくさん書いてましたが、ブログで書いちゃだめ、とおこられました(^^;)
読書感想文の文体と書き出しはどうするか
中学生の読書感想文なので、文体は敬体(「です、ます」調)ではなく、常体(「である、だ」調)を選びます。
中学1年生の時に、ですます調で書いたら、読書感想文コンクール提出作品に選ばれた際、「常体に書きなおしてきて」と言われ、ものっすごい面倒だったんですよ。
それ以来、常体を基本とするようにしてます。中学生だから当たり前かな?
書くときに一番苦労するのが書き出しです。
ここをクリアすれば、ある程度は書きすすめられるんですが、書き出しがなかなか決まらないとかなり長いこと悩んでしまうんですよね。
読書感想文を読む方からしても、書き出しがいまいちだとその先を読む気になれないと言いますし、かなり重要なパーツなわけです。
書き出しの例としてあげられるのは以下の3つ。
- 本との出会いから書き始める
- 一番印象に残ったことを一言で始める
- 本を読んで「なぜ?」と思った疑問点から始める
なぜその本を手に取ったのか、最初の印象は?
本の表紙を見て、どう思ったのか?どんな作品だと予想したのか?を書きます。
ここから、予想通りこうだった、予想に反してどうだった、というふうにつなげていきやすいです。
娘が一番たくさん使うパターン^^
読み終えた瞬間に思ったことをメモしておいて、その一言から始めるというのもインパクトあり。
例えば、「まさか!主人公が死んでしまうとは!」とかね。
疑問文から書き始めると、感想文の読み手も「なぜ?」から入れてひきつけられます。
例えば、「なぜ、狐は死んでしまったのだろう」
書き出しにカギカッコを使うと、視覚的にも印象深いのでおすすめ。
本との出会いを書く場合でも、
「狐はどんな子なのだろうと興味がわいた」とか「本を見た瞬間「なんてかわいいんだろう」と思った。」とか。
去年次女が書いた作品は、課題図書の「白いイルカの浜辺」でした。
このときも、1行目に「イルカと女の子が向かい合って楽しそうに泳いでいる。きっと海の楽しい話に違いない」という書き出しでした。
その予想に反して、楽しいばっかりの話じゃなかった…って続くわけです。
本文は箇条書きを繋げていく
いざ、本文を書くとき、の話です。
読書感想文 作成シートの質問項目に書きこんだメモ書き。
これを一つ一つふくらませるようにして繋げていきます。
箇条書きのときはただただ、思いつくままに書いていたのですけど、順番がおかしくないか、何度か読み直しつつ。
「読書感想文 作成シート」の最後のページには、原稿用紙にA~Cの文章をそれぞれ段落にまとめましょう」という図解がついてます。
それに沿って並べると、すごくわかりやすく、まとまった感想文になるんですよ。
ただし、手書きでいきなり原稿用紙に書くと、あとから順番を変えたくなった時に消しゴムで消さねばならず、結構面倒です。
家の場合は、ipadにキーボードをつけて、文字カウント機能のついているテキストエディタに書きこんで行きました。
パソコンのキーボードが使い慣れている子なら、この方法がいいと思います。
文字カウントが進んで行くので、「今何文字書いた!」とか、結構面白がって書いてましたよ^^
読書感想文の学校で指定された枚数は、400字詰め原稿用紙4枚半。
1800文字以上書けば、文字数のノルマはクリアってことですね。
実際には、あれやこれやと書いていたら2000文字を超えてしまい、最後に読み返して推敲。
説明するために引用していた部分がちょっと長すぎたので要約したり、カットしたりしてなんとか収まりました。
最後に、専用の読書感想文用紙に清書して完了です。
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読書感想文の題名は最後に決める
読書感想文の最後の難関は、題名です。
学校の夏休み課題のプリントには「〇〇を読んで」は、やめましょう、と書いてあります。。
一番いいのは、伝えたいことをタイトルにする方法だと思うんですよ。
読書感想文シートのQ5,Q6のメモ書きに書いてあるフレーズを使うと良いです。
Q5,Q6に書いたことは、感情のほとばしりに近いので、知らず知らずの間に使える言葉を使ってたりするので。
次女は、そこに自分で書いた2つの単語を使ったら、
「なかなかカッコいいタイトルじゃない?これ、いいでしょ」と自画自賛してました。
確かに、そのタイトルが書いてあったら、内容読みたい、って思うわ、と、私は思ったんですけど。。
これはこれで、親ばかかもー。
最後に:読書感想文は自由図書で書くのが楽しいかもしれない
我が家的に読書感想文で考えたこと、葛藤などをまとめておきました。
例年、課題図書を買って読んで、書くという作業をしてきたのですけど、今年は全く違う趣旨で選んだのが印象的。
本選びはすごく重要と思っていたのですが、今年ほど痛感した年はありませんでした。
本というのはその子の好きなもの、興味のあることによって、面白いと思えるものは違いますよね。
うちの子には合わなかったホイッパーウィル川の伝説も、他の子にとっては面白くって書きやすい本となるかもしれません。
そもそも、読書感想文を書かなくては!とか、感想を言わなくてはと義務の様に思いながら読むと、本なんて面白くない、と刷り込まれてしまうし。
普段は、読み終えたとき「どうだった?」って聞くことはありません。
でもよくよく考えてみたら、次女の場合、読んだ後に面白かった本については、頼んでないのに雄弁に語るし、ママも読んで!とごり押ししてきます。
いつもの生活の中の行動をちゃんと見ていてあげれば、感想を書きやすい、面白い、よい本への出会いは早いかもしれません。
自由図書で読書感想文を書いたのは初めてでしたが、今までで一番熱中して書いてました。
課題図書を選べば、感想文の例がネットで検索できたりして便利かもしれませんが、誰とも被らない1冊だからこそ、迷いもなく書けるんですね。
と。。中3になった今年初めて思いました(遅っ)
高校でも読書感想文の宿題あるのかな…。