本屋さんで立読みをしていたら、「2020年大学入試が変わる」というようなタイトルが目に飛び込んできました。2020年には、センター試験が廃止されることが決まっていて、新しい入試制度がスタートするんですよね。(予定?)

漠然と「へぇ…2020年かぁ…」と思っていたのですが、よーくよく考えてみたら、うちはまさに当事者なのです。次女はH14年、早生まれならH15年生まれ、2016年度に中学2年生の世代。2020年の第1回の新・入試を経験するのはこの子たちということ。

・・今までどおりの勉強では、歯が立たないかもしれない。だからと言って、何をどう対策していいのかわからない。でも、時はどんどん迫ってきます。

まだ高校受験も終わっていないけど、ボーっとしてたらあっという間にその時が来てしまいます。光陰矢のごとしですからね。と、いうわけで、2020年に大学受験を迎える子を持つ親として、知っておきたいことを集めてみようと思います。

2020年の大学入試はどう変わるの?今わかっていること

2020年の大学入試、一番大きな変化は、センター試験が廃止されるということ。

大学入試センター試験が始まったのは1990年。准凪が大学受験だったのは1991年。1つ上のセンパイからセンター試験に切り替わったという、過渡期世代だったようです。親子そろって変革の時代に当たってしまうとはね(笑)、いや笑えない。

大学センター試験はマークシート式だったのに対して、新しい試験では、記述問題もあるということ。
自分で考える力、総合的な学力をはかるということでしょうか。

2020年度から始まるとされる新・大学入試は2つの新しいテストから成ります。(まだ確定ではないみたいですが)

  • 高等学校基礎学力テスト
  • 目的は、高校の学力が身に付いているか、到達度を測ること。学校単位で参加します。
    実施回数は、年に複数回。教科や実施時期の選択は高校ごとに決めることができます。

    対象は、高校2,3年生となるそうで、受験と言えば、高校3年生のもの、という今までの常識ががらりと変わります。
    まずは、国語(国語総合)、数学(数学Ⅰまで)、英語(コミュニケーション英語Ⅰまで)の3教科から。

    特に英語は、問題を見て答えを選ぶだけでなく、「聞く、話す、読む、書く」力を確認する問題が出題されます。

    そして、CBTという、タブレット端末で解答する形も行われるんだそう。
    CBTを導入することで、動画を使ったり、辞書機能を使って答えを求めたりという、タブレットならでは出題形式が可能になっています。

  • 大学入学希望者学力評価テスト
  • これが、今までのセンター試験に変わる、大学入試テストです。
    対象者は大学入学希望者で、年に数回実施も検討されています。

    大きく変わるのが、選択式だけでなく、記述式の問題も出されるということ。

    選択問題も、連動型複数選択問題と呼ばれる形にかわります。
    センター試験は、マークシート式だから選択肢の中から正解を1つ答える方式だったのに対して、
    連動型複数選択問題では、文章を複数読んで共通項や考えを掴みとり、選択肢を選ぶ形で、しかも答えは1つとは限らないという。

    英語は、基礎学力テストと同様「聞く、話す、読む、書く」の4つの力が試されます。
    いずれにしても、問題があったからパターン的に答えを導き出すのではなく、思考力、判断力、表現力を求められる問題が増えるということ。

    CBTも検討されています。

注)どちらも仮称。

新しい大学入試は、年複数回の実施が検討されている、というのが目を引きました。

大学入試センター試験は1月の中旬の2日間と決まっています。1年間で、その日しかチャンスがないわけです。

今年(2016年)のセンター試験の当日、日本中を大寒波が襲い、各地で大雪。交通機関が乱れたために、受験生の足にも影響し、開始を遅らせた会場が多々あった、というニュースがありましたね。

この時期はインフルエンザが猛威を振るう時期とも重なってるから、インフルエンザのためにセンター試験が受けられなかったという受験生もいたでしょう。

年に何回かにわけるということは、その心配が軽減されるということなのでしょうか。せっかく勉強してきたのに、不可抗力で試験を受けられずに泣く受験生が減るならいいことだと思いました。

と、こんなふうに調べてまとめてみたつもりだけれど、まだはっきりとつかめませんね。
少なくとも、ただ暗記するだけ、詰め込むだけでは対策しづらく、センター試験よりも難しそうです。。


スポンサーリンク

新しい大学入試で必要になる能力って何

ここまで見て思ったのが、新しい大学入試で必要になる力は、1個1個の教科ごとの知識だけではだめで、総合的に物事をとらえて問題解決をする力なのではないかということです。

でも、総合的に物事を見て判断する力って一朝一夕では身に付きません。

総合力を付けるんだー!と意気込んでみても、基礎力である土台がぐらぐらしていてはいけない。
基礎基本となる教科の知識や技能をきっちりと身に付けることは不可欠ですね。

応用問題をやりたくても、もともとの基礎力がないとできない、わけですから。

基礎基本となるものというのは、「読み」「書き」「計算」。
この力をしっかりと鍛えることで、次の総合力というステップに行けるということではないかと思います。

そして、「自分で学ぼうとする意欲と力」を身に付けること。
キーワードとして「アクティブラーニング」という言葉が出てきます。

今まで先生が黒板の前で話すのを聞きながらノートを取るという受け身の勉強だったのに対して、主体的に学び取ろうということ。ただ、聞くだけじゃなくって、意見を考えて発表するとか、グループで討論するとかそういう授業もその一つなのだそう。

ただ聞く、ではなく、主体的に学ぶ、という意味で、家でできることは、授業の予習かな、と思いました。

予め、次の授業について調べておき、内容をざっくり頭に入れておくことで、そのとき疑問に思ったこと、わからなかったこと、自分で考えたことを学ぼうという姿勢になりますし。

タブレット・パソコンに慣れておく必要あり?

新しい大学入試では、CBTという方式の導入が検討されています。基礎学力テストで使うことは、ほぼ決まっている様子。
大学入学希望者学力評価テストでも、2024年度から導入が予定されています。

たくさん受験生がいることだし、どうやって端末を用意するんだろう…とか、当日突然起動しなかったらどうするんだろうとか、思わず心配してしまいました。

日ごろから、タブレット端末をいじっている子や、パソコンでオンラインで講座を受けているような子には操作自体は抵抗がなさそう。

なじみのない子はタブレットやパソコンでの入力にも慣れておく必要があるのかもしれません。中学校や高校でも、タブレット端末を導入した授業をしていくんでしょうか…。

実際にその時にならないと、わからないことが多いですね。



過去問がない状態で、どうやって対策するのか…。

今まで、大学センター入試の対策と言えば、過去のセンター入試の問題を多く解いて、問題の傾向を見たり、答え方を身に付けたりという、対策が出来ました。

でも、2020年の大学入学希望者学力評価テストは初年度にあたるから、過去問が出てないです。

模擬試験的なのをいっぱいやるのかしら。どうやって対策するんだろうか、と疑問が残ります。

と、なると、高校入試での高校選びにも影響してきますよね。

新しい大学入試に対応した学びを、しっかりと行ってくれる高校を選ばないと、親や子供だけでは対応できないです^^;

総合的な力を身に付けるようなカリキュラムを組んでいる高校を選んで進学しないと。高校側でもきっと、これからの大学入試に対する取り組みを始めているはず。

来年は高校入試なので、高校のオープンスクールに多く参加して、学びに関する取り組みを注意深く見てみようと思います。
私立の中高一貫の学校の方が、柔軟に対応してくれそうだなぁ…。

こちらの記事もどうぞ

陰山英雄さんと出口汪さんの対談を読むと良くわかる

調べたものの、よくわからないことが多かったので、本屋さんに立ち寄って1冊の本を買って読んでみました。
陰山メソッドで有名な陰山英雄さんと、出口式論理エンジンで有名な出口汪さんの対談です。

1980年代から教育の現場に立って、今までの教育の在り方をずーっと見てきたお二人の話。
今の問題点は何か、新しい大学入試に向けて本当にするべきことはなんなのかがすごくよくわかる。

対談の書き起こしなので、ちょっと読みにくいと感じる部分もありますけど、その会話をたどると教育にとって大切なこと、が見えます。

新しい大学入試に向けて、自分で考える力を身に付けよう!自ら学ぶ姿勢を持とう!なんて言われても、基礎基本ができてない子供たちには『ぽかーん』ですよ。

まず、基礎学力、特に日本語、国語力を身に付けること。本を切り刻んで鑑賞させるんじゃなくて、論理的に物事を見て組み立てる力をつけることから始めなくっちゃ駄目だなと。思いました。

小中高校生のお母さん、お父さんにおすすめです。文科省の人も読んでもらいたい。

スポンサードリンク




最後に:学習指導要領の変遷とうちの子育て期間

長女が小さい頃から、次女が受験を終わるまでのこの期間。平成10年から20年は、教育に関するいろんな改革が行われてきた時期だったように感じてます。
わたしが中高生だったころと、今とでは、いろいろな意味でやっぱり違う。漢字の書き順が違ったり、計算の進め方が違ったりというのは、まあ、いいとして…。

小学校の円周率は3で計算する、というのをニュースで読んで、メチャびっくりしたこともある。これは、平成10年に改訂、平成14年度から実施が始まった新学習指導要領で「円周率は3.14だけど、3で計算しても良いよ」という記述があったことで問題になったんだとか。小数点1以下は扱わない、ってのもありましたね。

長女が低学年の時の学校の算数テストのプリントに電卓マークがついてて、「これは電卓使っていい問題なんだよ」と言っていたことも。
「え!?いや、いやいやいや、計算は自分の頭でしようよ!」とツッコんだこともあります。

確か、長女が5年生くらいのときに表紙が青い単色刷りの薄っぺらい追加の教科書が配られました。たぶんその時期に授業時間を増やそう、という方向に戻ったんでしょう。幸い長女も次女も円周率は?と聞くと「3.14でしょ」と答えました。ホッ。

ゆとり⇒授業時間増⇒小学校で英語⇒体育でダンス(←勉強じゃないけど)。今度は大学入試改革!?頭がついていけないなぁと思ってしまいます。

詰め込みの受験戦争の反省から、勉強が出来なくてもいい、個性を尊重しよう、みんな平等に、という風潮があって学校教育が迷走しすぎていた時期。
それから、学力低下が叫ばれて、あわてて元に戻した時期。
英語くらい話せないと、国際社会から遅れるぞ!と追加してきた時期。
そして、大学センター試験で、機械的に答えるだけの学生が増えちゃったから、もっと考える力を持った学生が欲しい!とかで、大学入試を変えようとする時期。

ここと、我が家の子どもたちの小中高大の期間がバッチリかぶっている、ということなんですね。
翻弄される子供と親にしてみたら、たまらないんですが…。迷走しつつも、良い方向に行っていることを祈るのみ。

スポンサーリンク