花火大会や夏祭りで浴衣を着たら、帰宅後は浴衣をすぐにお手入れしましょう。
1シーズン何度も着ることになるかもしれません。
次に着るときに、汗ジミで汚れていたり、
よれよれだったりしたら悲しいですよね。
ここでは浴衣の洗い方(手洗い方法)やたたみ方など、
お手入れして保管しておく方法についてまとめます。
浴衣をハンガーにかけて一晩置く
浴衣を着てのお出かけから帰ってきたら、
まずは浴衣を脱ぎます。
そしてハンガーにかけて外に干しておきます。
外を歩くと、屋台の食べ物やたばこの臭い、
汗の臭いなどがついてしまうもの。
そのまましまうとにおいが残ってしまいます。
外に干すことで夜露があたり、臭いが飛ぶのです。
翌日は風のよく当たるところに置いておくと
すっきりと乾きます。
このとき使うハンガーは和装用がベスト。
袖の部分が横に一直線に長いものです。
⇒日本製 きものハンガー (伸縮型)3段伸縮/ 帯掛付ワイン色
そうすれば、袖にしわがよることなく、
綺麗に干せます。
もしなければ、物干しざおを
そのまま袖にとおしても良いですよ。
浴衣の汚れをチェック
干し終わったら汚れをチェックしましょう。
少し面倒ですけれど
しっかりとお手入れをしておくと後が楽です。
脱いだ浴衣を隅から隅までじっくりと見て、
シミや汚れがないかを確認します。
特にしっかりとチェックしたいのは、
えりやそで、そして、足元(裾)。
座るときに汚れやすいおしりまわりです。
夜店で何かを買って食べたときに知らずにつけてしまった汚れや、
歩いているときの地面からのハネなど、
案外汚れていることがあるんですよね。
また、暑い夏ですから汗をかきます。
えりやそでなどに汗ジミが出来ていないかをチェックしましょう。
サッとシミを取っておく
気になるシミを見つけたら、早めに取っておくことをおすすめします。
例えば、裾に泥はねが見られるならば、
乾いてから、手でつまむようにして乾いた泥を落とします。
食べこぼしの汚れは、裏側にハンカチを当てて、
上から濡れハンカチでトントン叩くようにして落とします。
間違ってもゴシゴシこすってはいけません。
ここまで行ったあと、手洗いをします。
浴衣を家で洗って干す手順
浴衣の表示を見て、手洗いが可能ならば家で洗いましょう。
自分で洗えるのは、木綿のもの、化繊のもの、麻、です。
それ以外の素材の場合はクリーニング店に出した方が安心です。
手洗いが出来る洗濯表示は、
洗面器に水が入っていて、洗う強さや温度が書かれているもの。
洗面器の水の絵に、上から×が書いてあるものは手洗い不可です。
1)ゆかたをたたむ
水に通す前に、浴衣をたたんでおきます。
まず、袖をそろえて縦に半分にし、さらに、
蛇腹のように、4つ折りに折ればOKです。
2)大きめのたらいで手洗い
大きめの洗面器を用意し水を張ります。
ぬるま湯や熱湯は色が落ちてしまうのでNGです。
おしゃれ着洗い用(アクロンやエマールなど、)の
中性洗剤を少し入れます。
先ほどたたんだ浴衣を入れて
全体を洗剤液に30分ほどひたします。
30分経ったら、上から優しく押すようにして
押し洗いをします。
汚れがまだ気になる部分は、優しくもみ洗いします。
3)水ですすぐ
洗剤液をこぼして、新しい水を入れ、
押すようにしながらすすぎます。
何回か水を入れ替えて、洗剤を完全に落とします。
4)脱水する
畳んだ状態で、目の細かい洗濯ネットに入れます。
形は平べったいタイプのネットが良いです。
そして、洗濯機に入れて脱水します。
1分以内ですぐに取り出します。
5)陰干しする
浴衣の袖部分を和装用のハンガーに掛けます。
そして、直射日光の当たらないところで陰干しします。
ハンガーに掛けたら、そで、すそ、衿のあたりを
外側からパンパンと手でたたいてしわを伸ばします。
6)洗いジワを伸ばす
浴衣が乾いたときに、もしも洗いジワがあったら伸ばします。
少しのシワならば、敷きのしすればOkです。
シワのあるところを霧吹きで少し湿らせて
先ほど洗う時に畳んだような形で浴衣をたたみ、
風呂敷で包みます。
そのまま、上に重たい本や布団、座布団などをのせておくだけです。
もし、なかなか伸びないしわが出来てしまっていたら、
アイロンを使っても良いです。
ただし、麻、綿、化繊、に限ります。
それぞれの素材に合わせて温度調節をしたアイロンで、
薄い布で当て布をしてまっすぐアイロン掛けします。
斜めにかけると布が引っ張られて型崩れしてしまうので、
布の目に沿った方向にゆっくりと動かすことがポイントです。
当て布をしないと、繊維が寝てしまって
表面にテカリが出来てしまいます。
浴衣のただしいたたみ方
まだ、今シーズンもう一回着るよ、という時には、
タンスにしまわずに、和装用のハンガーにかけておくと便利です。
でも、しばらく着ないときや、
シーズンが終わった時にはしっかりと畳んでタンスにしまっておきましょう。
その時に、正しいたたみかたをしないと、
余計なしわが出来たり、袖山がなくなったりして、
次に着るときに困ります。
正しいたたみ方をマスターして、
いつでもベストの状態で着られるようにしたいですね。
1)平らな床に浴衣を広げます
浴衣の衿が左側に来るように浴衣を置きます。
そして、まず、手前側の身ごろのワキの線に合わせて折ります。
2)おくみ線で折り返す
手前側の身ごろのおくみ線のところで、手前側に折りたたみます。
3)奥の身ごろの衿を重ねる
奥側の見ごろの衿部分を持ち、手前に引きます。
そして、先ほど折り返した部分と同じ形になるように重ねます。
4)奥の身ごろのワキ線を重ねる
奥側の身ごろのワキ線を引き、手前側の身ごろのワキ線に重ねます。
そして、背中心のところでたたみます。
5)上の袖をたたむ
二枚重なっている袖の上側を、袖つけの縫い目部分で折り返します。
6)裾を折る
右側になっている裾を、左側へと折ります。
裾が袖の上に乗るような形にします。
もしも、タンスの幅が狭いならば3つ折りでもOkです。
その時は、まず、裾を袖の下の線に合わせて折り、
さらに、重ねるようにして折ります。
5)裾を折る
下になっていた袖を、身ごろの下に入れて折ります。
最後に:浴衣はきれいに保管しておきたい
浴衣を保管するときは、正しいたたみ方でたたんだ後、しまいます。
桐のタンスに仕舞えれば一番良いのですが、
もしなければ、市販の衣装ケースにしまっても良いでしょう。
その時、必ず防虫剤と湿気対策の除湿シート、
竹炭などの湿気対策グッズを一緒に入れるのが大切です。
湿気をそのままにしておくと、
カビが発生してしまうこともあるので要注意。
そして、浴衣はしまいっぱなしではなく、
時折タンスの扉やケースのふたを開けて風を通すようにしましょう。