大野智くん主演の忍びの国、見てきました。
元々、原作をかなーり前に(平成24年ごろ文庫本で)読んだことがあり、
どんな風に実写化するのかなーと興味ありつつ。
でも、原作既読のくせに読んだのが昔過ぎて、内容はほぼ、ほぼ、覚えておらず。
登場人物の名前も、主人公の忍びが無門という名前だったことすらも忘れているほど。
うっすらと「主人公がなんかのらりくらりしてるくせにめっぽう強かった…気がする」という記憶のみ。
ほとんど素の状態での鑑賞です。
おおむねコメディ。だけど、大野君の凄味を感じる映画でした。
忍びの国のあらすじをざっくり
安土桃山時代。織田信長の支配が着々と進む中で、
織田信長が攻めることを禁じた場所。
伊賀の国が舞台。
織田軍が大敗したと言われる天正伊賀の乱を描きます。
伊賀の国は、人でなしの狐狼の族の住まう国。
その中で伊賀最強の忍者、無門が主人公。
普段は、嫁のお国に全く頭が上がらないし、
怠け者でやる気ゼロ。
でも、ひとたび、やる気スイッチが入ったら、
伊賀の忍者を引き連れて、予想外の秘策を持って
織田軍に立ち向かうのでした。
ざっくりすぎて全然わかりませんね^^;
大野君 おおむねコミカル、そのまんま
大野くんは、主人公の無門を演じています。
伊賀最強の忍者であり、彼の前では門は意味をなさない。
ものすごい力を持つ忍者でありながら、
妻のお国にはまったく頭が上がらず。
家にも入れてもらえなくて、情けない顔をする。
そんなキャラクターです。
顔が丸くてかわいいもんだから、
忍たま乱太郎感もあって、まあ、いるだけで笑える。
大野君、そのまんま。
声も甲高いあの声だし、動きとか、表情とか、いちいち面白い。
コミカルな役が本当に似合うんですよね。
でも、それでいながら、戦いのときは驚異的な身体能力を発揮して、
傷一つ受けずに立ち回る。
まるでダンスを踊っているような闘いシーンがすごかった。
基本的には、どんなに強くっても、闘う姿すら笑える人です。
でも、さまざまな人の死に直面し、
人でなしの忍者ではなく、人として覚醒していきます。
最後の表情はとにかく凄味があってゾクッとしました。
大野君は、この落差が魅力ですね。
登場人物で印象的な人の話
登場人物は、伊賀、織田側たくさんいましたが、
印象に残った人のことを書いてみます。
日置大膳
ザ、戦国武将。日置大膳。
伊勢谷友介が演じていました。
いちいちアツイ男で、豪快で。
出てきたときの威圧感がハンパないです。
しかし、あの武器。
とんでもない破壊力を持つ大弓はすごすぎ。
なんのマシンかと思いました。
CG使ってるから余計です。
織田信雄
信雄というと、清州会議で妻夫木君が演じた
バカ殿全開の信雄が強烈でして。
信雄=おばか、のイメージがすごく強いんですよ。。
私の場合ですけど。
で、知念くんの信雄。
バカ殿というよりは虚勢を張ってエラそうに見せてる、
痛々しさと浅はかさを併せ持ってるような人物として映りました。
信長という傑物の息子として生まれてしまった、
信雄の苦悩、悲しみを体中から発して叫ぶシーンは圧巻。
そこで、家臣団と心がガチッとハマり、
忍じゃ集団との対決に向かうんです。
何の覚悟もないまま、
家臣にも、慕われないままで
伊賀攻めをするのかなと思ってたので
この展開は、予想外でした。
実は最初、知念くんが映るたび、
こんなちっちゃいのに(失礼)、
こんなすごくてでっかい役者と共演してるよ
と、なんかヒヤヒヤしちゃってたんです。
でも、意外な名演技に途中から知念君ということを忘れました。
下山次郎兵衛
満島真之介が演じていて、
物語冒頭の10分程度で死んじゃう次郎兵衛。
ちょっとお馬鹿さんで純粋な忍者の僕。
満島真之介さん、ぴったりですね、くるってるような役。
この人の死がきっかけで、鈴木亮平演じる下山平兵衛が、
織田側に付いて、伊賀攻めに加わるのです。
それにしても、この人のビジュアルが…。
登場した瞬間に「ジャックスパロウ…」と思ったら
もう、それ以外に見えなくなっちゃって困りました(^^)
あ、ジャックスパロウ死んじゃった(違)
下山平兵衛
人の死をなんとも思わない、お金のためにだけ生きる伊賀の人たち。
その中で1人、人間的にまとも(伊賀的におかしい)人物、下山平兵衛。
鈴木亮平さんが演じていました。
この人、結局伊賀の人に踊らされていただけで、
かなりかわいそうなのだけれど…。
最後の、大野君との殺陣のシーンが圧巻。
体が大きいから迫力ありました。
大野君のちょこまか感と、良い感じに対比。
下人のトリオ
名前がわかんないんですけど、3人組の下人。
おとぼけで、ひょうひょうとしてて、
お金がないとなんにもやる気を起こさない。
出てくると、ユーモアたっぷりで、笑える人たちでした。
でも、「お金の為なら、人の命などなんとも思わない」という、
伊賀の忍者の怖さを一番感じたのもこの3人。
さっきまで面白い人だったのに、
お金が絡んだ途端に、いきなり目の色が変わる。
平然と人を殺めてしまう。
で、人が死んでても悲しむことなく、
「当たり前だよー、毒を飲んでない人が死ぬのは―」とかいう感じの
淡々としたセリフをいいながら、金目のものに手を伸ばす。
背筋がぞっとしました。
*-*-*
印象に残ったのはこの人たちまで。
個人的には石原さとみさん、かわいいけど…
なんかあんまり…。という印象でした。
しゃべり方の問題かな…。
最後は、「あ、やっぱきれいな子だなー。惜しいなー」と思った、くらい。
家に帰って原作を再読してみたら
原作は読んでいたけれど内容は覚えていなかったので、
映画を見て「原作と違うじゃん(怒)」という思いはなかったです。
それどころか、
「そうそう、こういうシーンあったよね」という記憶のよみがえりすらない。。
こういう話だったのかあ、忍びの国って。
と、もやもやしながら映画館を後にしました。
家に帰って、本棚から忍びの国を引っ張り出し、
表紙を見てみると、
「これ無門?大野君とビジュアル違うなー。
どっちかというと伊勢谷さんの方が近いじゃんw」。
そこで久々に読んでみました。
それで思ったのは、映画はかなりコメディタッチに傾けて描いていたんだということ。
全編にわたってコメディ要素が強いので、
その分ラストの平兵衛や、無門の強い苦しみ、悲しみが引き立ったなあと感じました。
個人的には、この映画面白かった。
もう一回見に行ってもいいなーと。
この前気付けなかったポイントにも気づけるかも。