東福寺を訪れた後、同じエリアにある泉涌寺にも足を延ばしました。青もみじを始め、青々とした新緑が美しいお寺です。
天皇家とゆかりの深い御寺、唯一の皇室の菩提寺としても知られています。

実際に天皇皇后両陛下、秋篠宮殿下ご夫妻が入られる御座所も見学。御座所庭園も、青もみじにかこまれていました。

重要文化財の大門から新緑の泉涌寺へ

泉涌寺 大門
東大通りから総門をくぐり、泉涌寺を上っていくと重要文化財の泉涌寺の大門前にたどり着きます。
総門から歩いて行くと大門までの道はずーっと上り坂。ちょっとしんどいです。真夏はタクシーの方がいいかも(笑)

大門の横に受付があり、ここで拝観料を納めて拝観します。
ここで、受付をしていたおじさんが「今日は御座所庭園が無料公開していますから、ぜひ見て行ってくださいね」とのこと。
楽しみ!いつもは300円かかるところなのですが、今回はたまたま?

泉涌寺 新緑
門から仏殿の方を見ると広くてゆるい下り坂が続きます。下り参道と呼ばれているんだそうで、両側を青々とした緑の木が覆っていました。
(写真は逆行気味でちょっぴり暗いです)

新緑が美しい泉涌寺、と聞いていたのですが本当にそう!
ここは、木の陰になっていたので風が涼しくって気持ちよかったです。

泉涌寺 浴室
右を見ると、立派な浴室がありました。この少し先にある建物(写真撮り忘れw)が泉涌水屋形があります。
泉涌寺というお寺の名前の由来になった泉がわいている場所なんだとか。今でもこんこんとわき出ているんだそうです。

仏殿~重要文化財の中へ

泉涌寺 仏殿
仏殿にたどり着きました。大きく反り返ったような二層の屋根が立派な建物です。ここは、右側に入り口があって中に入れます。
寛文8年に徳川家綱によって再建された建物だそうで、京都の指定文化財。

内部には、三体の仏様が祀られていました。運慶作という阿弥陀像・釈迦像・弥勒像の三仏で、現在・過去・未来に救いをもたらすということでした。
この形で三仏が並べられているのは日本では珍しく、宋から伝えられた様式だそうです。

写真は撮ってはいけなかったので、しずかにお参りしてきました。

天井を見ると龍の絵が。狩野探幽作の蟠龍(ばんりゅう)とのこと。東福寺の天井に描かれていたものと雰囲気が違い、とぐろを巻いたような姿が力強く描かれてました。
三仏の裏へ回ると、うすい布のようなものがかけられていて、そこにも観音様が描かれていました。白衣観音像で、これも狩野探幽作。

説明を読むと、「どこから見ても、観音様と目が合う」と。
場所を変えて、拝んでみたら、確かにいつでも観音様に見守られているような感じがしました。ふしぎ…。

仏殿の裏側から外に出ると、舎利殿の前でした。仏様の口元の骨が祀られているんだそう。
天井には狩野雪筆の蟠龍図。鳴き龍という仕組みが施されていて手を叩くと反響があり、音が残るんだそう。

こちらは、普段は非公開で12年に一度、辰年に公開されるので当然中には入れず^^
今年(2017年)は、酉なので、次の特別公開は2024年ですね。あと7年。


スポンサーリンク

御座所と御座所庭園を鑑賞

御座所 御座所庭園
舎利殿をあとにして、本坊と書かれた門をくぐるとお寺の人々が生活する本坊があり、その先に御座所がありました。
本坊の入り口に入ると右側が事務所のようになっていて、「どうぞお入りください」と。ここで、御朱印をあらかじめお願いしておいてから、御座所に向かいます。

御座所とは、つまり皇室の方々が泉涌寺に訪れたときに使う建物のことで、広い内部にはいくつもの部屋に分かれていました。
天皇陛下が入られる玉座の間や、皇族の方々が使う部屋、お付きのものの待機する部屋など6つあるそう。

狩野永岳筆の瑞鳥花弁図や、鷹狩の様子を描いたものやら、昔の皇族の生活が垣間見える絵が、それぞれの部屋に描かれていました。

昔は牛車を寄せた御車寄もありました。今は、歩いて御座所の入り口から入られるそうです。
内部は写真撮影厳禁でしたので、しっかりとこの目で見てきました。

泉涌寺 御座所庭園
建物の外側の御座所庭園は、青いもみじをはじめとして、濃い緑色に包まれていて、とても綺麗でした。

秋には紅葉の名所としても人気の場所だとか。京都で一番初めに紅葉するんですって。

泉涌寺の御朱印 本坊にて


御座所と庭園を見て帰ってくると、御朱印が仕上がっていました。

流麗な文字で「みてら」と書かれています。皇室の菊花紋章の朱印も。皇室の唯一の菩提寺らしい御朱印でした。

楊貴妃観音で美を磨く…楊貴妃桜も咲いてました

楊貴妃観音堂
御座所を後にして、最後に訪れたのが楊貴妃観音堂です。大門を入って左側、仏殿の方から見て右側にひっそりとたたずんでいる建物。
ここには、絶世の美女として有名なあの楊貴妃をかたどった楊貴妃観音像が安置されています。

美しい楊貴妃のようになれますように、と美人祈願に訪れる女性が多いのだそうです。
楊貴妃観音像は、やさしく微笑んだ穏やかなお顔をしていて、姿も肉感的でとても美しい観音様でした。

見下ろされていると、なんだか心が和んでしまいます…。

楊貴妃桜
観音堂の前にはある1本の桜の木は楊貴妃桜と呼ばれているもの。この日は4月の24日でしたが、ちょうど見ごろを迎えていました。
京都市内の桜の中では遅咲きの桜ですね。

楊貴妃という名前が付いているように、薄桃色で一つ一つの花が毬の様に咲いていてとても美しい桜でした。

泉涌寺へのアクセス方法・拝観時間の情報

泉涌寺は、京都市東山区にあります。最寄駅はJR奈良線、京阪本線の東福寺駅です。

〇京都駅からのアクセス方法

電車:JR奈良線(乗り場10番)で、京都駅から1駅の「東福寺」下車。徒歩15分。
奈良線は10分から15分間隔で走っています。

バス:京都駅C4乗り場 京都市営バス(南5)横大路車庫前行で、「東福寺道」下車 徒歩20分

タクシー:京都駅の八条口から5分で着きます。総門からの長い参道は坂道を登るのがたいへんという方は、タクシーを使っても良いですね。

〇東福寺から泉涌寺へ行く場合
東福寺と泉涌寺は最寄駅が同じで、東福寺駅を出て右に行くと東福寺、左に行くと泉涌寺にたどり着きます。
東福寺から泉涌寺へと行く場合は、歩いて行くとだいたい25分くらいかかり、結構遠いです。

もし、時間がない時、疲れてしまった時は、東福寺に停まっているタクシーを利用するとらくです。

拝観時間は、9:00~16:30。冬の間は拝観終わり時間が16時になります。
伽藍拝観料は500円。御座所と御座所庭園などの特別拝観は300円です。

スポンサーリンク