高校生になると世界史の授業が始まります。
日本の歴史は大好きだったので世界史も面白いに違いない、と思っていたのに、世界史はどうにもとっつきにくくって。
カタカナばっかりでちっとも暗記できない、いろんな国や人が登場して、こんがらがる。
というわけで世界史はあまり好きじゃなかったんです。
でも、大人になって読んだ本をきっかけに、世界史の面白さに気づきました。
こんなにも、ドラマチックなんだ!と。
ここでは、そのきっかけとなった本と、そのあと読んで世界史の流れが理解できた漫画たちについて紹介します。
勉強って本来楽しいものなんですよね。
ふとしたことをきっかけに、学びが広がることってあるんだなぁと思っています。
世界史が面白いと思ったきっかけ
私が最初に世界史で夢中になったのは、ヨーロッパの歴史でした。
きっかけは、2人の作家の本です。
藤本ひとみさんと佐藤賢一さん。
この二人の作品を読んだことで、フランス、イギリスを中心とした様々な歴史上の出来事に興味がわいてきたんです。
藤本ひとみさん
最初は藤本ひとみさんの「ブルボンの封印」でした。(上の写真にはありませんが)
「え?これって漫画家マリナの藤本ひとみさん?」
中学校のころに流行っていたラノベの作者さんだったので、何気なく手に取って読んでみたのです。
ブルボンの封印は、ルイ14世の鉄仮面伝説を扱って、恋愛要素もあり。
フランスかぁ…。苦手だったなと思いながら読んでみました。
これは、本当の歴史とは違う、エンターテイメント作品ですけど、いろんな歴史上の登場人物が出てきて、とにかく面白かった。
フランスの歴史を垣間見たような気持ちになれました。
逆光のメディチ、バスティーユの陰謀、ノストラダムスと王妃、ウイーンの密使、聖戦ヴァンデ、皇帝ナポレオン、マダムの幻影。
ほとんど全ての作品を読んでしまいました。
佐藤賢一さん
そして、一通り藤本ひとみさんの作品を読み終えた後に書店で
第121回直木賞受賞作品として紹介されていた佐藤賢一さんの「王妃の離婚」で完全にヨーロッパ史にハマりました。
王妃の離婚は、15世紀末の離婚裁判の様子を描いたもの。
圧倒的不利だった裁判を、敏腕弁護士フランソワがひっくり返していく様は痛快。
最終的な結果は歴史の1篇なので、変えられないのですけど、
そこまでの人間模様とか社会のありようが生き生きしていて面白い作品だったんです。
藤本ひとみさんは、作風が艶っぽく、美少年がたくさん出てくるのですが、
佐藤賢一さんは固めの文章で、ぐいぐいとたたみかけるような作風でした。
この1冊で、佐藤賢一さんの作品がもっと読みたくなり、書店で買ったり、図書館で借りたりして色々と読み漁りました。
双頭の鷲、傭兵ピエール、カルチェラタン、二人のガスコン、カエサルを撃て、黒い悪魔、剣闘士スパルタクス、褐色の文豪。
本当にいろいろ読みました。
世界史で学んだ時も、カタカナばっかりでちっとも覚えられなくって苦痛だったというのに。
ヨーロッパの歴史って、こんなにいろんな題材に満ちているんだなと思ったんです。
特に、小説フランス革命全18巻は、複雑なフランス革命の全てを物語として描き切っており、読み応えがありました。
さらに、佐藤賢一さんの「英仏百年戦争」というノンフィクション作品も読んでみました。
イギリスとフランスの100年に渡るあの戦争は、なんだったのか?というのが、とってもわかりやすく書かれていまして。
歴史とはこうやってさまざまな要因が積み重なって成るものなんだと思ったものです。
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小説というのは基本的にはフィクションなので、正式な歴史とは異なる部分もあるでしょう。
それでも、そこに登場する人物や時代背景に興味を持てるのが良いです。
わからない言葉が出てきたら、スマホなどで調べたりしながら読むことで、知識もぐっと増えました。
学研 世界の歴史漫画で流れを知る
ヨーロッパの歴史の小説本を読み漁って興味を持ったことで、世界の歴史への苦手意識はかなり薄れました。
今ならもっと学べるかも、と長女の高校の教科書を引っ張り出して、読んでみたんですが、さすがにかなり骨が折れる。
こんな時には、マンガが一番手っ取り早いだろう…と思って探していたところ、
学研の世界の歴史の最新シリーズが発売になりました。
さっそく購入です。
学研の世界の歴史漫画はフルカラーで絵がとにかく綺麗。
これ、マリーアントワネット。かわいすぎる(笑)
子供向けのものだけど、しっかり読むと読みごたえもあります。
娘と一緒に楽しく漫画でお勉強、というわけです。
まあ、いろんな地域の歴史をギュッと12冊にまとめているので、説明不足の部分もあるかもしれません。
それでも、地域ごとの流れをつかむのには、役立ってくれました。
12冊セットで買うと、年表が付属しています。
これも、結構良いですよ。
世界の歴史年表の下に、日本の歴史も書かれているので、
日本がやっと稲作が始まった時に、もう、マケドニアのアレクサンドロスが東方遠征をしていたんだ!とか。
見比べるのが面白いのです。
この年表、トイレに貼ってあります。
余談ですけど、トイレで座ると一番最初に目に入る位置に、
「マホメットが預言者であることを自覚する」という言葉があり…。
自覚する、と言葉が年表に載ってることがなんかおもしろかったです。
ヘタリアで国と国との関係を知る
次女はローマ帝国とか、神聖ローマとか、のあたりからの世界史、歴史が好きです。
中学の日本史を学んでいて、ヨーロッパが出てくると生き生きしてました。
これは、ヘタリアという漫画の影響です。
国擬人化漫画、として、アニメにもなってるし、キャラソンもあります。
イングランドがまだ4つだった頃のこと、
プロイセンからドイツが出来たから、プロイセンはお兄ちゃんとか。
日本や中国も出てくるそうで。
なんか、独特な解釈で、ヨーロッパのさまざまな国と国との関係を理解している様子。
高校に行って、世界史を勉強するのを楽しみにしているみたいです。
最後に
私が高校生で世界史を学びだした時は、とにかく暗記がたいへんな教科である、というイメージから離れられませんでした。
いろいろ複雑すぎるんだよ!ローマがなんだ、オスマン帝国がなんだ!と、勉強するのが苦痛で苦痛で(笑)
あのころは、いきなり勉強して、暗記しようとしたからいけなかったんでしょう。
ざっくりと流れをマンガで読むとか、世界の歴史を扱う作家を探すとか、していたら、もうすこし違った視点で学べたかも…と思うのです。
何かをきっかけにして「あれ?世界史って案外面白い?」と思えることが、苦手の突破口になるようです。
私の場合は、小説、漫画がその入り口でした。
しかも、歴史小説というよりは恋愛要素もかなり入っていた作品が始まりだから、先生が聞いたら「なんだそれは邪道だ!」というかも。
何だっていいですよね。結局は。
次女の、ヘタリアだって立派なきっかけですよ。
世界史という大きな岩のような、手ごわい相手だったものでも、
1つの地域の歴史への興味で、1点突破できる。
1か所、くさびを打てれば、道は開けると思います。