宮下奈都作品
山崎賢人さん主演で実写化、三浦友一さんとの共演で話題となっている「羊と鋼の森」。
ピアノの姉妹を上白石萌音・萌歌姉妹が演じることも発表になって、ますます期待が高まっている…ところかな。

公開日は2018年6月8日。

個人的には「実写化するんだ…山崎賢人さんとは意外」、というのが正直なところです。

それはさておき。

で、この本を読んだ後に、宮下奈都という作家の名前をじーっと見ていて、
「どっかで見たことあるかも」と。

本棚を探してみると、この作家さんの作品がいくつか並んでました。
作家さんの名前をあまり意識せずに選んで読んでたみたいで…。

タイトルが気になった、とかそういう感じだと思うんですよ。

せっかくなので、宮下奈都さんの「羊と鋼の森」以外の好きな作品を5つ、紹介してみようと思います。

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宮下奈都さん 羊と鋼の森を読んだ感想

「羊と鋼の森」が本屋大賞に選ばれたころ、私も読んでみました。

「羊と鋼の森」というタイトル。
楽譜が置いてあり、その上を羊がちょこちょこと歩いている表紙。

ピアノの調律師の話とは思いもよらなかったです。

羊というのは、古いピアノの中のハンマーが羊毛フェルトで出来ていることからきているそうで。

なるほど。鋼、とは、ピアノの中にある弦を指していたんですね。

タイトルがすごく良いなぁ~。
わたしが小さいころに弾いていたピアノの中を覗いたときのことを思い出しました。

山里の中学校の体育館で見た、調律師の仕事に魅せられた主人公。
調律のなんたるかを知らないままに、調律師の学校に行き、やがてその調律師のいる楽器店に就職します。

先輩調律師についていく中で出会うピアノの上手な姉妹。
彼女たちに出会ったことで、仕事や音にもっと向き合う調律師へと成長していく様を描いた作品です。

作品を読んだわたしの感想を一言でいうと「しみじみ、しずかな、でも、未来に向かう熱量を感じる」物語だなぁというものでした。

ピアノの調律という仕事については、この通りということはないかもしれません。
プロの調律師が読んだらリアリティがないと思うかも。

その辺はよくわからないのでさておいて、
始めは静かな森の中、音のない世界から、次第にピアノの旋律が鳴り響いてくるような。

そんな感覚になりました。
静かですけど、希望やら、仕事への情熱やら。

若いからこそ、の想い、などがグッと感じられます。

宮下奈都さんの作品のおすすめ5選

宮下奈都さんの作品は、我が家の本棚に意外にもたくさんありました。
実は、宮下奈都さん作、とは知らずに買ったものばかりだったりします。

本を選ぶとき、書評やポップはほとんど読みません。
タイトルと表紙絵を見て、魅かれたものを買うことが多いんです。

宮下奈都さんの作品の中でおすすめを5つご紹介します。
あくまで、私が気に入っているもの、という基準です。

ネタバレしない様に気を付けて、感想を少し書いておきますね。
参考にならないかも…。

太陽のパスタ、豆のスープ

表紙のほっこり温かなイラストと、
「太陽のパスタ」「豆のスープ」という美味しそうなタイトルに魅かれて、
思わず手に取ってしまったのが、「太陽のパスタ、豆のスープ」。

これが多分、宮下奈都さんの作品との出会いだったと思います。

結婚を目前にして破断にされてしまった主人公あすわ。
絶望の中で、叔母に提案されたのが『ドリフターズリスト』。

自分のやりたいことを書くというものでした。

わらをもすがる、という具合に、
ドリフターズリストをよりどころにして毎日を過ごしていくうち
あすわは空っぽの自分に気づきます。

自分に正直に生きるってどんなことなんだろう。
そうやって自分自身を見つめ直して、
改めて、生きて、成長していくという物語です。

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読みながら、
「そういえば、私のやりたいことってなんだったろう。
 自分に嘘をついていないかな。
 好きなものと言われてコレって答えられるものあるかな。」
などなど、あすわと一緒に考えてました。

私は私自身が選んだものに囲まれて生きているんですね。
幸せはそこかしこに眠っている、という気持ちになりました。

静かな雨(文藝春秋)

これも表紙の美しさとタイトルに魅かれて購入した記憶のある本です。
私の本の選び方の傾向って、いつも本の表紙の絵柄な気がする…。

後で知ったのですけど、これは宮下奈都さんのデビュー作だそうです。

記憶を残して置けない女性、こよみ。
こよみに魅かれる行助。2人の物語です。

自分との記憶すらもわすれてしまうこよみ。
それでも、こよみを好きでたまらない行助。

なんだかせつなくて、でもあたたかいです。
こよみが焼く、おいしすぎるたいやきが食べたいなぁ。

窓の向こうのガーシュウィン(集英社文庫)

「太陽のパスタ、豆のスープ」についていた帯の裏に紹介されていたものでした。
タイトルの「窓の向こうのガーシュウィン」が素敵過ぎて。

またもやタイトルにそそられて、アマゾンでポチッとしました。
こう考えると、宮下奈都さんの考える本のタイトルは、私にとってはツボなのかもしれません。

窓、とは、額のことでした。
絵や写真を額装する仕事に魅せられた主人公と、その周りの人々のお話です。

未熟児として生まれ、父親や母親からも放っておかれたわたし。
いつも、何かが足りないから、なにもかもをあいまいにして生きてきた。

仕事先で出会った額装屋の仕事に魅せられて手伝ううちに
何もないと思っていたのに、実は主人公の中にはかけがえのないものがちゃんとあった。

そういうことに気づいて行きます。
出てくる人がそれぞれ、何か足りないものを抱えていたり、
無くなっていくものを持っていたりと、みな、それぞれ。

それでも優しく生きているところがよいのです。
登場人物の中で、いつまでも「あの人」と呼ばれている額装職人が実はすごく好き。

よろこびの歌 (実業之日本社文庫)

これは、窓の向こうのガーシュウィンの帯にあり。
よろこびの歌ってなにかしら?と思いながら読んでみました。

明泉女子学院という一つの新設校に集まった女の子たち。
音楽高校への受験に失敗した玲をはじまりとして、それぞれの物語が紡がれます。

始めは、それぞれが誰にも深入りせずにいたのですが
歌をきっかけにして、グッときずなが深まっていく様。

出会いは偶然じゃなくて必然だと思えたし、
流されてきたとがっかりしていても、必ずそこには意味があるんですね。

スコーレNo.4 (光文社文庫)

スコーレとは、スクールの語源となった言葉だそうです。
ここでいう「スコーレ」は、中学校、高校、大学、就職(靴屋と本社)のことを指しています。

就職先もスコーレなんだ。
人が成長する場所という捉え方なのではないかと。

街の骨董店に生まれた麻子。
綺麗で情熱的な妹、七葉に比べて、なんのとりえもないと考えていたのですが、

高校、大学、就職先と、さまざまな人に出会う中で、代わりのいない自分というものに気づきます。

私自身も長女だからか、麻子の気持ちには共感する部分がたくさんありました。

なんだろう。。
中学時代の恋の始まる瞬間や、大学のころの「これじゃない気がする」を積み重ねながらも無理してしまうところとか。
女性のこころの揺れ動くかんじが、よく見えるんです。

就職先での日々も。
思いがけない出会いが、自分自身をガラッと変え、認めるきっかけになったのには、感動しました。

最後に

羊と鋼の森だけでなくて、宮下奈都さんのほかの好きな作品についてまとめました。
ネタバレしないように書いたので、何を言ってるかよくわからない部分もありますが^^;

宮下奈都さんの小説は、全体的に静かおだやかです。
なんということはない、日常で、大きな事件もほとんど起きないのです。

でも、等身大の女性や、高校生、就職1年生、職人1年生、といった、どこにでもいる人たちが物語の中でしっかり生きています。
静かな中でも、熱量が潜んでいるというか。

いつも、何かちょっと無色な感じで始まるけれど、読後は虹色だったり、桃色だったり。
最後には美しい彩に変わっているところがとっても好きです。

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