京都の冬は、特別拝観を楽しもう!ということで、2018年の冬の特別拝観の一つ、宝鏡寺へ行ってきました。
通常は、春と秋の人形展のとき以外は拝観が出来ないお寺です。
宝鏡寺の感想をまとめます。御朱印もいただきましたよ。
この記事でお伝えしたいこと
宝鏡寺の特別拝観に行ってきました
京の冬の旅、5年ぶりの公開となる宝鏡寺に行ってきました。
地下鉄烏丸線の今出川駅を降りて歩くこと15分。
この日はたまたま、すごく寒くて、歩いているうちにちらちらと雪が。
到着した宝鏡寺は、車どおりの激しい堀川通りから入った路地にあり、
外の喧騒とは全く異なる静かなたたずまいです。
こじんまりとした門の中に建物が見えます。
宝鏡寺は、公武合体のために第14代将軍家茂へ嫁いだ
皇女和宮様のゆかりの尼門跡寺院。
百百の御所ともよばれているそう。
そして、皇女のもとへ多くの人形が送られたことから、人形寺と呼ばれて親しまれている寺院です。
宝鏡寺へ行く道で、定期観光バスツアーの団体様とすれ違いました。
ちょうど、宝鏡寺からの帰りだったようです。
今日の幕末・維新の歴史を訪ねてというテーマのツアーのコースに、宝鏡寺が入っていました。
小さめのお寺なのでツアーの方と一緒になると、ごちゃごちゃして大変だったかも(^^;)
終わったところで到着できてラッキーです。
宝鏡寺のガイドさんの説明がおもしろい
拝観料を納めて、建物内へ。
庭園や絵画などはすべて写真撮影禁止です。
唯一、入り口の使者の間の十二単のお人形だけ写真撮影が出来ました。
美しいお人形さん。十二単も鮮やかです。
使者の間は、訪れた人が、上臈のお許しが出るまで待機したお部屋だそうです。
お寺の各部屋にはガイドさんがいて、お寺の由来やお部屋に展示してある調度品、絵画などについて詳しく解説してくれました。
これが、すごく面白かったです。
宝鏡寺がなぜ、そう呼ばれるようになったかというと、御本尊の聖観世音菩薩様のお姿が由来とのこと。
その昔、伊勢の二見浦で漁師の網に何かがかかり、それがとても強い光を発していたそうです。
光のもとは、聖観世音菩薩さまが手にしていた小さな丸い鏡。
このようなお姿はとても珍しく有難いこと。
その聖観世音菩薩様が御本尊として安置されたことにより、宝の鏡、という名前がついたということです。
ガイドさんが、そんなふうに事細かに教えてくれるんですよ。
紙芝居の様に資料を見せながら。
他にも、勅使の御輿を寄せる場所のお話とか。
帝からの勅使は御輿にのって来られると、勅使門が開かれるのだそう。
その門は一般の人は通ることができない門で、御輿で来た方が降りる場所の欄干が外れるようになっていること、
庭の石の上に御輿を置くんですよ、なんて教えてくれて、いちいちへぇ~(笑)
和宮様が愛用されていた天目台や、公明天皇の御所人形、さまざまな人形の数々が見られました。
江戸時代の古いお雛様も展示されていました。
今と、お内裏様とお雛様の配置が違うんですよ。
今の配置になったのは明治時代以降だったそうで…だったかな?忘れてしまった(><)
狩野探幽の秋草図 伝円山応挙の杉戸絵…
宝鏡寺に行ってみたかった目的の一つとしては、狩野探幽の襖絵と円山応挙の杉戸絵が見られるらしい…ということ。
日本画が大好きな、長女と二人で訪れたのですが、狩野探幽の襖絵、秋草図も当時のそのまま。
金箔も鮮やかに残り、狩野派らしい豪快さ。美しかった。
その先の御座の間と、和宮様が遊んでいる様子を再現した人形が置かれた大広間には
円山応挙の孫の応震による襖絵がありました。
春から秋にかけての耕作の様子を描いた四季耕作図です。
これは外に出ることのない宮さまたちに、食べ物はどうやって作られているのか?を学んでもらうために描かれたものだそうです。
そして、長女と二人ですっかり見入ってしまったのが、円山応挙が描いたと伝えられている杉戸絵です。
杉の戸に描かれた雉の絵。今まさに描いたかのような鮮やかな色合いが残っていて驚き。
円山応挙らしい緻密で繊細な羽根の模様と雉の表情がすばらしかった!
これが、普通に、ガラスにさえぎられることなく、間近で見られたことに感動しました。
雉の絵の裏側は、応挙らしいかわいい子犬の絵。
こちらはちょっとお日様に焼けてしまってましたが、
かぷ、かぷ、かぷ、と噛みつきあってじゃれる愛らしい子犬の姿が描かれていました。
ほっこりします。
やっぱり円山派の絵が好きだー!と、長女は大喜びでした。
宝鏡寺の御朱印もいただきました
こちらが宝鏡寺の御朱印です。
春と秋の人形展の期間中には、宝鏡寺の聖観世音菩薩像の人形の絵のスタンプの御朱印がいただけるそうですよ。
宝鏡寺へのアクセス
宝鏡寺の最寄駅は、地下鉄烏丸線の今出川駅か鞍馬口駅です。
どちらから歩いても15分くらい。
私たちは今出川駅から行きました。
今出川駅4番出口からでてまっすぐ道なりにあるき、
堀川通りに出たら右折。
堀川寺ノ内の信号のところで路地に入るとすぐに宝鏡寺があります。
ただひたすらまっすぐ歩くだけだったので、この道がわかりやすかったです。
もっと近道があったかもしれませんが、路地のようなところを入っていくようでちょっとわかりにくそうでした。
京都冬の特別拝観2018 開催期間と見どころ
京都冬の旅は、毎年京都市観光協会によって主催されます。
2018年で52回を数える、歴史あるイベントのようです。
2018年は、京の冬の旅初公開のスポットもあって見どころいろいろ。
開催期間は2018年1月6日から3月18日までです。
10時から16時までの公開。
料金は1か所に付き大人600円となっています。
今年はNHKの大河ドラマ、西郷どんにちなんで、
幕末、西郷さんのゆかりのお寺のツアーも組まれていましたよ。
宝鏡寺からは、相国寺が徒歩圏内です。
相国寺は、臨済宗相国寺派の大本山。
法堂と方丈が公開されます。
狩野光信筆の鳴き龍として有名な日本最古の法堂です。
他に、相国寺の塔頭寺院の林光院と豊光寺は、京の冬の旅初公開。
京の冬の旅スタンプラリーで、3カ所回るとお茶やお菓子のちょっと一服特典が受けられるので、
行ってみると良いですね。
私たちは、なにしろ雪が降っていて、寒くてたまらなくて、
くじけて断念。行きたかったなぁ。
最後に
京の冬の特別拝観で、宝鏡寺に初めて行ってみました。
公武合体の一つとして、見知らぬ土地、江戸へと降嫁された、和宮様。
歴史の渦に巻き込まれる前、短い期間だけれども、
宝鏡寺で遊んだ日々があったのだなぁと。。
しみじみ思いました。
京都というのは歴史と今が混在していて、興味深いと改めて思いました。