最近読んだ本の話を友人にしたら、
「ねえねえ、そうやって毎日本を読むの?」と聞かれました。
「うん。毎日読んでる。なにか必ず読まないではいられないかも」と答えると
「うそー。私、よっぽどのことないと本は読まないよ」と。
わたしにとって本を読むということは、
ご飯を食べるのと同じこと。
最近特に思います。
家にある本は、何度も読むし、新しい作家を見つけてその人の作品を読みまくるのも好き。
本を読む生活はとにかく幸せなのです。
ふと、そんなことを書きたくなったので、とりとめもなく書いてみようと思います。
この記事でお伝えしたいこと
本を読んでいる古い記憶
とにかく昔から本の虫で、どこへ行っても本と名のつくものは片っ端から読んでいる子供でした。
病院に行っても、床屋さんに行っても、どこでも。
私の中の本を読んでいる古い記憶は、当時住んでいたアパートの2階。
畳の上に寝転んで、足をパタパタと動かしながら、厚い本をめくっている風景。
階段の下から母が上ってきて声をかけられて、すごくびっくりしたことも思い出します。
母方の実家にお泊りに行くと、読む本が無くて困った記憶もあります。
男3人のいとこがいて、そのうちにある本と言ったら、楽しい幼稚園などの雑誌類のみ。
それでも、そこに滞在中は本棚にある本を全部読んでました。
そんな中、母方の祖父は、毎年本を買ってくれまして。
それがものすごーく楽しみでした。
祖父に買ってもらった漫画の歴史人物大辞典は特にお気に入りで、背表紙が取れるほどに読んだものです。
おかげで、歴史は得意になりました。
本好きの子供になったのはなぜか?
私が本好きの子供になったのは、母のおかげです。
母自身は、数学は大好きだけど国語は大嫌いな子供だったそう。
それで、国語で苦労したから、自分の子供には同じ思いをさせまいと。
毎日、毎日、本を読み聞かせてくれていたそうです。
家には、多くの本がありました。
子供向けの良書と呼ばれているものだけでなく、ありとあらゆるもの。
親戚から回ってきた、福音館のこどものとものうすっぺらいペーパーバックは本当に大量にありました。
ぐりとぐらも、ぐるんぱのぼうけんもペーパーバックの状態で読んでます。
なかなかレアかもしれません(^^)
そのうち勝手に自分で読むようになってからは、読み聞かせは終了したみたい。
ただ、同じように本を読み聞かせていたはずなんですが、妹は本好きではなかったそうです。
4人家族のうち、本の虫はわたしだけだったのが、なんとも不思議な話です。
ぐるんぱのぼうけんと言えば、
最後のページのお皿のプールの絵がすごく好きで。
飽きずに眺めていたのを思い出します。
本を読むことで得られる効果、のようなもの
本を読むことで得られたものは何だったか。
効果をちょっと考えてみるとすごくたくさんあります。
私の場合…ですけれど挙げてみますね。
- 本から知識が増える
まず第一には知識が増えることですね。
小説でも絵本でも、科学雑誌でも歴史漫画でも、
いろいろな本を読んでいたおかげで、知識量は結構多い子供だったはず。
これって、勉強をするときの土台として大いに役立っていたと思います。
あ、知ってる、っていうのがすごく多かったですから。
- 勉強がはかどる・集中力UP
文章を読むことが辛くないから、勉強がはかどります。
学校の勉強の基本は、文字を読むことですよね。
どの教科でも、それだけは避けて通れません。
文字を読むことが苦痛だとそれだけで勉強が面白くないですから。
読めることは、勉強面でも大きな財産だと思うんです。
グーッと集中して文字を読めるのは強みでした。
ちなみに、国語の教科書も社会の教科書も、私にとっては楽しい読み物でした。
新学期、新しい教科書をもらうのが楽しみで楽しみで。
もらったその日にぜーんぶ読んじゃったりしてね。
好きな物語や時代の単元に来るとワクワクしたものです。
- 想像力・相手を思いやる気持ち
本の中でも好きなジャンルはファンタジーや歴史小説でした。
本を通して想像の翼を働かせ、自分ができない体験ができるのが楽しくてしょうがなかった。
行ったことのないところも本の中なら行ける。
私以外のさまざまな人生を生きることができるってすごいことだなと。
生きているうえで、旅を出来る場所は限られてます。
でも、本ならば、それこそ世界中に行けます。
時代を超えることもできるし、異世界へと入り込むこともできるし、
いろんな人の思考に触れることもできる。
これは本でなくては出来ないこと。
相手を思いやる気持ちも、想像力が大切と言いますよね。
知らないうちに身についていたように思います。
- 作文が意外に得意・文章を書くのが好き
文章を書くのが苦ではないのは本を読んできたおかげではないかと思っています。
本を読んでいると、自分もお話を書いてみたい、とか、エッセイみたいなのを書いてみたいという気持ちがわいてくるものです。
小さいころから、なんだかわけのわからないお話を書いてみたりしてました。
自分の独白ノートにエッセイを書き連ねていたこともあります。
作文の宿題、大好きでしたから…。
文章を読むこと、書くことが日常でした。
うまいかヘタかはこの際置いといて、書くこと自体は全く苦じゃないのです。
その経験、今、まさに生きているなーと実感中です(^^)
本はためになるものしか読んじゃダメなのか?
大人にはとにかく『ためになる本を読みなさい』と言われました。
ためになる本ってなにか…それは学校指定の課題図書のようなものが挙げられるのでしょうね。
でも、子供ごころで、いわゆるためになる本や名作だけでなく、いろーんな本を読みたい。
ただただ、物語を楽しむ幸せを感じていて何が悪いの?という反発を感じていました。
有川浩さんの図書館戦争の第1作目の四、図書館はすべての不当な検閲に反対するの中で
どうして大人はただ本を面白がるということを子供に許してくれないのか。自分たちはただ面白がるためだけに本を読むくせに
引用元:図書館戦争①(角川文庫)
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という文章があって。
これに私は激しく共感しました。
今すでに大人であるにもかかわらず笑
子供は良い本を読むべきだというのも大事だけど
面白い本を面白いと感じてただただワクワクして読むことはもっと大事で、守られるべき権利なんですよね。
本を選ぶときの私の基準
昔から好きな作家もあれば、最近好きになった作家もいます。
私自身が、新しい作家の本を手に取るときの傾向は、
表紙の絵にピンと来たとき、タイトルにそそられた時、の二つがもっとも大きな指標になっています。
だいたい、「あ、この本綺麗―」から始まって手に取って、そのあとタイトルを見て、
よし、読んでみよう、とやってるような気がするんです。
宮下奈都さんの本はまさにこの傾向にどんぴしゃりとあてはまっていました。
思いがけず素敵な作家さんに出会えると、心がふるえます。
好きな作家の話
中学生くらいの頃から好きなジャンルはファンタジーと歴史小説でした。
ファンタジーと歴史小説って対極じゃないの?と言われますがいえいえ。
歴史だってファンタジーですよね。かなりざっくり言っちゃうと。
史実というものはあっても、そこをどう解釈して切り取るかは作家次第。
見えない世界のことを書いているわけですから。
漫画も含めて、好きな作家の本は作家読みする傾向にあります。
特に好きな作家は以下の通り。
ミヒャエル・エンデ
私のファンタジー好きのきっかけになったのが「はてしない物語」です。
本の中をバスチアンと一緒に冒険するのは手に汗握る経験でした。
あかがね色の表紙に蛇の紋章が描かれていて、本の内容と全く同じなのには興奮したなぁ~。
モモもすごく好きです。
ジムボタンシリーズも面白い。
JRRトールキン
指輪物語、ホビットの冒険、シルマリルの物語。
全部つながった壮大なファンタジー。
ちょっと暗めですが、すべての生きものに物語があってどこまでも続く感じがすごかった。
エルフの食べ物、レンバスに憧れたなぁ。一度食べてみたい(←そこ?)
佐藤賢一
佐藤賢一さんの歴史小説。文体が固めですがすごく好きです。
この方の作品を読んで、初めて、世界史も面白いと思いました。
それから、むさぼり読みです。
一番好きなのは王妃の離婚。傭兵ピエールも好き。
そういえば、ここ最近読んでないので、久し振りに読もうかな。
新作も出てるしね。
葉室麟
日本の歴史小説の中では葉室麟さんが今いちばん好き。
きっかけは「蜩ノ記」が役所浩二さんと岡田准一くんで映画化されたこと。
父が買っていて、原作だし読んでみようと思ったらそのままハマりました。
秋月記や羽根藩シリーズが特に好きです。
鷺沢萠
少年たちの終わらない夜、帰れぬ人びと、スタイリッシュキッズ…。
若者の世界を独特の雰囲気で表現した作品が多くて。
何かその洗練された文章と、ご本人の豪快ですらあるエピソードと、いろんなものに魅かれて大好きでした。
亡くなられたときの衝撃が忘れられない。
荻原規子
日本の歴史のファンタジー、勾玉三部作がとにかく好きで好きで。
何回読んだかわかりません。長女もハマりました。
なんというか…恋とファンタジーの融合も良いんですよねちょうど。
上橋菜穂子
次女のもとに童話館から届いた「精霊の守り人」シリーズがきっかけ。
ママも読んでと言われて読んで、ハマってしまった…。
上橋さんの作品の中では、鹿の王と獣の奏者が特に好きです。
有川浩
図書館戦争で有名な有川浩さんの作品は、ほとんど読んでます。
一番好きなのはデビュー作の「塩の街」ですけども。
有川さんの作品は、外れがあんまりないので安心して読めます。
とかいって、実は文体はあまり好みじゃないのですがね。
ぶっきらぼうなかんじが…。
宮下奈都
しずかなしずかな、物語が素敵な宮下奈都さん。
美味しそうなタイトルと絵に魅かれて買った「太陽のパスタ、豆のスープ」が特に好き。
鋼と羊の森、映画化されるんですね。楽しみなような…。
今野敏
STシリーズが超好きで。これも何回も読んでます。
あの特殊能力を持った五人が難事件を解決していく様が爽快で。
青山君の突拍子もなく見えて実は理にかなっているという行動が面白い。
成田美名子
あれ?作家とか言って漫画家さんを挙げてしまった…。
成田美名子さんの漫画は、私のバイブルともいえます。
エイリアンストリート、CIPHERは、セリフまで覚えるほど読んでます。
絵が芸術的に美しいのも好きなポイント。昔、カレンダー買ってたなあ。
いくえみ綾
いくえみ綾さんの漫画もバイブルだなー。
恋愛ものの漫画で、アラフォー世代以上にとっては定番ですね。
愛があればいーのだ、POPS、彼の手も声も。いまだに読んでしまいます…。
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最後に:父が本を読むようになったこと
わたしの父は、現役時代は営業マンでよく出張に行く人でした。
夜遅くに、受験勉強をしていると、出張から帰ってきた父がお土産を持ってきてくれて。
桔梗屋信玄餅は定番だったので、あの包みを見ると夜中の勉強部屋の風景が思い出されます。
母も妹も寝ていたので、わたしと父しか知らない思い出、と言えるかもしれません。
でも、記憶をどうやってたどってみても、父が本を読んでいたことは一度もありませんでした。
会社関連の資料を読んでたことはあったような気もしますが…。
そんな父が、定年を迎え、大きな病気をしたあとから
急に本を読むようになりました。
何がきっかけだったのかは知りません。
でも、日に日に本棚に本が増えて行ったんです。
読んでいる本のジャンルはほとんどが歴史小説。
または、池井戸潤さんのような企業の小説です。
好きな作家は上田秀人さん、葉室麟さんなどなど…。
私自身も歴史小説がすごく好きなので、今、父と本の話をするのがすごく楽しいです。
上田秀人さんは様々なシリーズものを書いているので、新刊が出ると真っ先に買い、
読み終えると「これまだ読んでないでしょ」と持ってきてくれます。
本を読む父とは本を通して、新しい共通の思い出を作っているような感覚があります。
同じ本を読んで、面白かったいまいちだった、このへんが良かった、あの登場人物がね…なんて。
読書をしている姿を全く見たことが無かった父と、今、こんな話をしていることがとても不思議な気持ちです。
でも、私自身も、本を読む人で良かったなぁ~なんて、しみじみ思うのです。
娘たちも本が好きですし、本を読む子に育って本当に良かったと思います。
お勉強につながらなくっても、本を読むことの幸せを知っているのが何よりうれしい。
本を通して、きっと豊かな人生につながっていますから。